外食大手のコロワイドと定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)の戦いが激しさを増している。19%の株を持つ筆頭株主のコロワイドが、大戸屋HDの50%超の株式取得を目指して開始したTOB(株式公開買い付け)。これに対して20日、大戸屋HDが反対を表明し、敵対的TOBとなることが確定した。この一件を取材していて思い起こした案件がある。伊藤忠商事によるデサントへの敵対的TOBだ。TOBは最終的に成立し、デサントの石本雅敏社長(当時)は退陣に追い込まれた。大戸屋HDはデサントの二の舞いになるのだろうか。

今回のケースと伊藤忠・デサントのケースは共通項が非常に多い。筆頭株主が創業家出身の現経営陣に業を煮やしていきなりTOBを開始。現経営陣は猛烈に反発し、従業員の賛同も得て自らの「理念」を前面に押し立て、自分たちよりはるかに大きな企業に徹底抗戦する。これらすべてが同じ構図だ。TOB価格を見ると、直近株価と比べたプレミアム(上乗せ幅)もデサントのときは約5割、今回は46%とほぼ似通う。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1753文字 / 全文2208文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「M&A深読み裏読み」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?