外食大手コロワイドからの買収提案を事実上拒否したことで、経営陣刷新を目的とした12人の取締役選任という株主提案を突き付けられた大戸屋ホールディングス(HD)。今後、両社は6月に予定されている大戸屋HDの株主総会で、プロキシーファイト(委任状争奪戦)を繰り広げる可能性が高い。一方、大戸屋HDはコロワイドに対抗すべくホワイトナイト(白馬の騎士)を探すという選択肢もある。果たして、大戸屋HDに味方は現れるのだろうか。

コロワイドは大戸屋HDの筆頭株主として約19%の株を保有している。コロワイドが狙うシナリオは、6月の株主総会で大戸屋HDの取締役を刷新し、その後にTOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資の組み合わせで50%強の株を取得、子会社化するというものだ。取締役会の過半数をコロワイド陣営で押さえてしまえば、その後のTOBにも反対されないし、第三者割当増資の決議も可能になるため、今回の株主提案はその布石となる。
大戸屋HDの株主の過半数は個人株主。コロワイドは買収した暁には大戸屋HDの株主優待を大幅に引き上げる方針を表明しており、個人株主がコロワイドによる買収を歓迎する可能性はそれなりに高そうだ。既に2割近い株を保有するコロワイドとしては、個人株主の半分の賛成を獲得すれば取締役選任に必要な過半数の支持を確保することができそうで「株主提案の勝ち目は十分にある」(コロワイド関係者)。
ファンドは大戸屋を救うか
一方、苦しい戦いになりそうな大戸屋HD。プロキシーファイトと並行してホワイトナイト探しを本格化させることになるかもしれない。コロワイドに代わる出資者(買収者)を見つけ、コロワイドを撃退する手法だ。そのシナリオの実現可能性を考えてみたい。
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