株主側の提案が2020年の初勝利をあげた。8日に開かれたジャスダック上場のパチンコ機器メーカー、サン電子の臨時株主総会。アクティビスト(物言う株主)として知られる香港のファンド、オアシス・マネジメントが出していた取締役4人の解任と新たに5人の取締役選任を求める株主提案が過半数の賛成を獲得して可決された。オアシスにとっても、日本で株主提案を通したのは初の事例になるとみられる。6月の株主総会シーズンに向けて、株主と企業の間の緊張感が一段と高まりそうだ。

オアシスはサン電子の子会社、セレブライトの価値を高く評価しているもようだ(写真=ロイター/アフロ)
オアシスはサン電子の子会社、セレブライトの価値を高く評価しているもようだ(写真=ロイター/アフロ)

 サン電子の約1割の株を持つとされるオアシスは去年まで社長を務めた山口正則氏ら4人の取締役解任と、新たに5人の取締役選任を求めていた。5人の取締役候補のうち、創業家出身の内海龍輔氏ら日本人2人については、会社側が妥協案として会社提案の候補者としても採用したが、オアシスのヨナタン・ドミニツ氏ら残る3人の外国人候補者に関しては反対していた。

オアシスが完勝

 結果はオアシスの完勝。詳細な得票結果は臨時報告書が開示されるまで不明だが、関係者によると7:3程度の差がついたとみられる。オアシスにとっては約2割の株式を持つ創業家を味方につけたことが最大の勝因と言えそうだ。

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