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奥貴史のM&A深読み裏読み

31回
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ヴェルディとゼビオ、再建案で決裂 27日の臨時株主総会で対決
Jリーグ2部(J2)に所属する東京ヴェルディを巡る混乱が収まらない。資金難からくる再建案を巡り、株主として大きな影響力を持つゼビオホールディングスと羽生英之・ヴェルディ社長ら現経営陣の決裂が決定的となったからだ。ゼビオが…
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意外と人気だったキューサイ、争奪戦を制したのはユーグレナ
ユーグレナと投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP)が、青汁で知られるキューサイの買収を決めた。買収額は400億円程度とみられる。今夏から始まった入札では、「思ったよりも多くの関心を引いた」(投資銀行幹部)と言わ…
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DCMからニトリにくら替えの島忠、「裏切り」は誰のためか
ホームセンター中堅の島忠が、同業大手のDCMホールディングスとの買収合意を破棄し、ニトリホールディングスからの買収提案を選んだ。後から手を挙げたニトリが島忠をDCMから奪取した格好で、DCM側は「裏切り」と憤る。
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ニトリ、島忠を「お、ねだん以上。」で買うリスク
ニトリホールディングスが島忠に対し、TOBに乗り出す意向を表明した。島忠には既にDCMホールディングスがTOBをかけている最中で、島忠を巡る争奪戦となった。だが両社のTOB価格には大きな開きがある。DCMの1株4200円…
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ニトリ、HISを反面教師に 島忠争奪戦で後出しジャンケンの勝算
DCMホールディングスがTOBで買収しようとしている島忠に対し、ニトリホールディングスが待ったをかけそうだ。ニトリは島忠への対抗TOBを打ち出す準備を進めているが、じつはこの「待った」は文字通り「待ちに待った」策とみられ…
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島忠買収にニトリも名乗り、喜ぶ株主と困った経営陣
DCMホールディングスが完全子会社化を目指し友好的TOBを実施中の島忠に、ニトリホールディングスが触手を伸ばしている。ニトリは敵対的買収になるのを覚悟で対抗TOBの準備を進めており、DCMとの間で島忠争奪戦になる可能性が…
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東京ドームにかみついた巨人ファンの株主、社長解任要求は危険球か
読売ジャイアンツの本拠地でもある東京ドームの周辺がにわかに騒がしくなってきた。1割近い株を持つ香港のアクティビスト(物言う株主)、オアシス・マネジメントが長岡勤社長ら3人の取締役解任を求め臨時株主総会の開催を請求した。オ…
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ヤクルトを飲めなかったダノン、甘くなかった20年
仏食品大手のダノンが、6.61%保有していたヤクルト本社の株式をすべて売却した。2000年にダノンがヤクルト株を5%取得して始まった資本関係は、一時期ダノンが事実上の買収を画策し、ヤクルト側が抵抗するなど、決して良好なも…
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パイオニア、ファンド傘下でも終わらない迷走 虎の子を売却へ
経営危機に陥り上場廃止となったパイオニアが虎の子を売りに出した。パイオニアを買収したアジア系ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアのもと経営再建を進めているが、カーナビなどに高精度のデジタル地図情報、位置…
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千趣会、次のスポンサー探しで出てきた意外な名前
経営立て直しを進めているカタログ通販大手の千趣会に注目が集まっている。政府系ファンドのREVIC(地域経済活性化支援機構)が7月末に出資を引き揚げ、後ろ盾がなくなったからだ。千趣会は依然として業績が厳しい。新たなスポンサ…
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大戸屋、コロワイドに敗北 戦いの場は「キッチン」ではなかった
コロワイドは9日、大戸屋ホールディングス(HD)への敵対的TOBが成立したと発表した。大戸屋HDはコロワイド傘下になると「店内調理やおいしさが維持できなくなる」と訴えて抵抗してきたが、株主を引き留めることはできなかった。…
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大戸屋HDを追い詰める新たな投資家
外食大手のコロワイドに敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられている定食チェーンの大戸屋ホールディングスが、瀬戸際まで追い込まれつつある。コロワイドは8月下旬、TOB成立条件の下限を45%から40%に引き下げ、TOB…
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ウットラムに増資の日本ペイント田中氏「買収したのはこっちだ」
日本ペイントホールディングス(HD)が大勝負に出た。シンガポールのウットラムグループの子会社になる一方、同グループと合弁で展開するアジア事業をすべて完全子会社化する。一見複雑なディールの本質は何か。日本ペイントHDの田中…
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大戸屋、運命の日まで1週間、優待族はどちらの味方?
外食大手のコロワイドに敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられている定食チェーンの大戸屋ホールディングス。買収を阻止し独立を維持できるのか、それともコロワイドの軍門に下るのか。泣いても笑っても、勝負はまもなく決する。…
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昭和電工が資産の切り売り開始、武田薬品と同じ道へ
日立化成を1兆円近くかけて買収した昭和電工が、早速、事業の切り売りに着手した。社運をかけた「小が大を飲む買収」の後に待ち受けているのは、「選択と集中」による事業の絞り込みだ。
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売られる孝行息子、日本マクドナルドの移ろう未来
米マクドナルドが日本マクドナルドホールディングス(HD)株の一部売却方針を明らかにした。現在は50%弱の株式を持つ筆頭株主だが、そのうち15%程度を売却するという。日本マクドナルドHD株をもっと売ると予想する声もあり、そ…
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ファミマTOB「安過ぎ」とかみついた株主との攻防
伊藤忠商事がファミリーマートに対して実施しているTOB(株式公開買い付け)に対し、株主がかみついた。複数の海外ファンドが1株当たり2300円のTOB価格は安過ぎると疑義を唱え、価格引き上げや特別配当を要求したのだ。
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大戸屋は惨敗デサントの二の舞いになるのか
外食大手のコロワイドによる定食チェーンの大戸屋HDへの敵対的TOB。この一件を取材していて思い起こした案件がある。伊藤忠商事によるデサントへの敵対的TOBだ。TOBは最終的に成立し、デサントの当時の石本雅敏社長は退陣に追…
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キューサイの苦い10年、コカ・コーラがついに売却か
コカ・コーラはバークレイズ証券を雇い、キューサイ売却に向けたプレマーケティングを始めたようだ。どのような買い手がいて、どの程度の金額で売れるのか可能性を探るためとみられる。買収金額は300億~400億円あたりになるとの見…
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M&A「やっぱりやめた」が横行
欧米で合意済みのM&A(合併・買収)案件の破談が相次いでいる。高級ブランドの仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が米ティファニーの買収見直しを示唆、米ボーイングもブラジルのエンブラエルとの事業統合を撤回した。…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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ファクトフルネス思考
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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