「中国恒大集団はいつ破綻するのか? 中国政府は救済するのか?」
週明けの2021年9月20日、ウォール街はこの話題で持ちきりだった。
香港市場が急落したのをきっかけに、欧州、米国と株価が大幅安となるドミノ倒しが起きた。同日のニューヨーク株式市場ダウ工業株30種平均は、前週比614ドル41セント安の3万3970ドル47セントで、2カ月ぶりの大幅下落となった。世界的な株安の連鎖を受け、21日の日経平均株価の終値は前週末比660円34銭(2.17%)安の2万9839円71銭となり、3万円を割り込んだ。

恒大集団は9月23日に過去に発行した社債の利息支払い期限を迎えるため、今週が山場になる。中国政府が救済しなければ中国のみならず世界の金融システムに影響を及ぼしかねないとの声も上がる。
中国恒大集団とは? 知っておきたい予備知識
恒大集団は1996年、許家印氏が設立した不動産開発会社だ。許氏は58年、河南省の貧しい村に生まれ、大学を卒業して鉄工場に技術者として働いた。その後、広東省に移り会社を起業し、不動産業を始めた。地方政府から開発用地を仕入れてマンションやリゾート物件を開発して急成長を遂げ、20万人の従業員を抱える大手となった。現在の本社は深圳市にある。
近年は事業の多角化が目立った。2010年にサッカークラブの広州FCを買収したほか、食品やミネラルウオーターの販売、ヘルスケアからメディア事業まで、あらゆる事業を手広く手掛ける。19年にはスウェーデンの高級車メーカー、ケーニグセグと電気自動車(EV)開発の恒大新能源汽車集団を設立し、その後、完全子会社とした。
Powered by リゾーム?