2020年3月に始まった新型コロナウイルスの経済対策が7月下旬から8月上旬にかけて続々と期限を迎え、米連邦議会では今、追加の対策法案が協議されている。
議論は1カ月以上も続いているが、共和・民主の両党で話がなかなかまとまらない。20年9月10日、共和党指導部が提案した3000億ドル規模の対策案は上院の民主党議員全員の反対に遭い、否決された。民主党は共和党の約7倍に当たる2兆2000億ドル規模の財政発動を望んでいる。
協議の行方を固唾をのんで見守るのは、失業給付や給与保護プログラム(PPP)などの支援を享受する米国民だけではない。日系企業への影響も必至で、特に自動車メーカーへの影響が懸念されている。
「工場が人手不足で困っている」(日系自動車メーカーの社員)
米国に工場を置く自動車メーカーの多くはこんな悩みを抱えている。米国の自動車工場は新型コロナの影響で3月から生産を停止したが、5月中旬から稼働を再開。停止分を巻き返そうとフル稼働を目指すも、人手が足りないというのだ。
1つは新型コロナそのものがある。パンデミックは全米各地で5月以降も猛威を振るっている。工場で1人でも感染者が出ると、当人はもちろん周囲で働いていたスタッフも含めて十数人という単位の人員が14日間の自主隔離に入らねばならない。

その間、活躍するのが日本の「期間工」に当たる派遣社員だ。ところが、その派遣社員も工場での勤務を希望しない人が増えたという。
原因は、週600ドルという失業給付額の高さだ。
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