8月10日、出張先のアリゾナ州フェニックスで移動中、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの速報がアップルウオッチに表示された。「ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が辞意を表明」。辞任はさもありなんと感じたが、想定よりも早く思わず「エッ!」と声が出た。

クオモ知事は、高齢者を優先してコロナから守る法律に母の名を付けた(写真:AP/アフロ)
クオモ知事は、高齢者を優先してコロナから守る法律に母の名を付けた(写真:AP/アフロ)

 アリゾナ州でもその後に訪問したロサンゼルスでも話題になっていたが、ニューヨークとあればなおさらだった。出張から戻った翌日の13日に同市生まれの知人女性に聞くと、「みんな、その話で持ちきりよ。辞任の会見、見た?」と盛り上がった。

 直接の理由は側近女性などへのセクハラ問題だが、その過程に新型コロナウイルスの大流行が絡んでいることは地元住民も承知している。知人女性は「クオモ氏は都市封鎖をして飲食店などのビジネスに厳しい方針を貫いた。これをよく思わない人がたくさんいた」と関連性を予想した。記者も政治的陰謀は絡むとは思うが、辞任そのものは「身から出たさび」だと感じる。

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この記事はシリーズ「池松由香のニューヨーク発直行便」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。