到着直後の検査でも陰性、いざ入国!

 その次の工程で、登録したメールアドレスの送信チェックがあった。(1)のOELを使用するには「入国者健康確認センター」から送られてくるIDとパスワードが必要になる。さらにメールによって毎日、健康チェックの連絡も来ることになっていた。メールが届かなければ意味がないのでチェックをするわけだ。

 最後、飛行機搭乗前に入手したQRコードを見せ、日本での滞在先や空港からの移動手段を改めて確認される。ここの担当者に聞いたのだが、一連の水際対策は日本政府と地方自治体が手分けして担当しているとのことだった。(1)のOELでの位置情報確認は地方自治体、(2)のビデオ通話による健康状態の確認は日本政府の管轄だという。

 この担当者は地方自治体の所属だったのか、こう教えてくれた。

 「OELでの連絡は毎日午前11時頃から午後2時頃までの間に行くはずです。でもビデオ通話については、ほとんど連絡が行かないと聞いています。管轄が日本政府なので……。来たら返事をするようにしてください」

 筆者には少しシニカルに聞こえた。この工程の後、しばらく待っていると番号を呼び出され、検査結果を受け取った。これでようやく空港の外に出られる!

荷物を受け取り、外に出る。多くの店舗が閉鎖され閑散とする成田国際空港
荷物を受け取り、外に出る。多くの店舗が閉鎖され閑散とする成田国際空港

 後は送られてきた連絡に対応するのみだ。検査結果も陰性と分かり、意気揚々と予約しておいた新型コロナ感染予防対策のタクシー車両に乗り込み、千葉の自宅へ向かった。

 ところが、問題はこの後だった。

待てど暮らせど来ない連絡

 記述の通り、OELのアプリを使い始めるには、入国者健康確認センターから登録したメールアドレスに送られてくるIDとパスワードが必要になる。だいたい翌日に来ると聞いていたので、なぜかドキドキしながら何度もメールを確認して待っていた。

 だが、待てど暮らせど来ない。結局、自主隔離期間が終了した5月8日まで政府から何の連絡もなかった。毎日、来るはずだったメールによる健康チェックも、ビデオ通話による抜き打ちの連絡もなし。

 唯一、最終日の8日午後7時前にスマホに電話がかかってきた。電話を取ろうとしたらすぐに切れてしまったので、すぐにかけ直したが「窓口は5時まで」との録音音声が流れるだけだった。

 頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだった。出入国時の2回の検査も陰性で、ワクチン接種も終えているとはいえ、海外からの渡航者をここまで放置していいものか。ほぼ同じ時期に別の支局の同僚も帰国していたため確認すると、「翌日にIDとパスワードの連絡と、毎日のメールによる健康チェックがあった」とのことだった。だがこうした水際対策も漏れがないようにしなければ意味はない。

 自主隔離期間を終えた翌日、水際対策のウェブサイトに掲示されていた厚生労働省の電話番号にかけてみた。

 電話に出た若い男性の担当者に事情を話すと、こう告げられた。

 「運営は厚労省の管轄ですが、空港での登録作業は空港のある地方自治体の担当になります。成田空港に到着したのなら、成田空港の検疫所の管轄になるのでそちらに聞いてもらえませんか」

 たらい回しになるのを避けたかったので、担当の検疫所の電話番号を厚労省の担当者から直接聞き、すぐに電話をかけた。すると、若い女性が電話口に出た。

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