高齢者には苦痛? 複雑なアプリのダウンロード

 次に案内されたのが唾液によるCOVID-19検査だ。仕切られた場所(仕切りは四方のうち三方のみ)は電話ボックスよりも狭く、壁に梅干しやレモンの写真が貼られていた。唾液を出すための写真だと日本人なら分かるが、果たして海外出身者はどうか……。「梅干しを食べたことのある人はどれだけいるのかな」などと考えたら、ちょっと笑えてきた。

 検査結果を待っている数十分の間に進めなければならないのが、自主隔離中に日本政府に居場所などを知らせるアプリのダウンロードだった。

 担当者による支援は懇切丁寧だ。数十人がスタンバイしていて、必要に応じて手取り足取り手順をサポートしてくれる。中国語の話せるスタッフが多かったように感じた。

 ダウンロードしなければならなかったアプリは次の3種類(グーグルマップも含めると4種類)だ。

  • (1)位置情報確認のためのOEL(Overseas Entrants Locator)アプリ
  • (2)ビデオ通話による健康状態確認のためのSkype(スカイプ)またはWhatsApp(ワッツアップ)アプリ
  • (3)コロナ陽性者との接触確認アプリ「COCOA(ココア)」

 このうち(1)と(2)はすぐにダウンロードできたが、ココアだけはソフトウエアを最新にする必要があった。これが難関だった。筆者は日本で使用していたスマホを米国滞在時はほぼオフにしていたため、ソフトウエアの更新だけで1時間以上もかかった。その間、担当者が心配そうに何度も声をかけてくれ、Wi-Fiも提供してくれた。

 その担当者は中国語の話せる中年男性だった。

 「こんなにダウンロードするアプリがあって作業が複雑だと高齢者は大変ですよね」

 筆者が少し離れた場所で悪戦苦闘する高齢の女性を見つめながら言うと、その担当者はこう教えてくれた。

 「ダウンロードするアプリが3月26日から変わって、もっと大変になりました。前はLINEが使えたのですが今はスカイプかワッツアップ。どちらも日本ではあまり使っている人がいないので作業が増えました」

 LINEは個人情報の扱いについて問題が発生したため使用が中断されたようだった。結局、ダウンロードが終わらなかったので、ココアだけ別のスマホにダウンロードし、一緒に持ち歩くことを条件に解放してもらえた。

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