「パニックになるから」と口止め

スモールズ氏:そんな職場に行くのが怖かったので、私は3月中旬に1週間半ほど仕事を休みました。でも、働かないと家賃を払えないし、3人の子どもも養えないので、仕方なく出勤したのが3月24日でした。

 1週間前にもクイーンズ地区の倉庫で感染者が出ていました。そのときは、施設が閉鎖され、従業員はその間、賃金を支払われた上で休みを取っていました。

 スタテンアイランドでも感染者が出たのだから当然、クイーンズと同じように倉庫を閉鎖して、プロの清掃会社が入って消毒してもらえると思っていました。でも、実行されませんでした。マネジャーに消毒するよう訴えましたが、「みんながパニックになるから騒がないでほしい」と言われました。

その後、出勤は続けたのですか。

スモールズ氏:はい。そうしないと生活できないからです。水曜日(25日)から土曜日(28日)まで働いて、就業時間以外にカフェテリアに行き、同僚たちに話しかけては消毒の必要性を伝え、そのうちの何人かにはマネジャーの所へ行って訴えてもらうこともしました。ただ、多くの人は「あなたのやっていることは応援するけれど、解雇されたら生活できないから協力できない」と言っていました。

食い違う労使の「解雇理由」

スモールズ氏:会社から14日間の自主隔離に入るように言われたのは、土曜日です。私が自宅に帰した従業員が陽性だと分かり、彼女と接触したからと。でも、話したのは2~5分間と短かったし、近距離で話したわけでもなかったので、私自身は自主隔離するほどの接触だったとは思っていません。

 しかも、もっと彼女と長い時間、一緒に仕事をしていた人が別にいたのに、その人には言わずに私に自主隔離するよう言ってきました。納得がいきませんでしたが、以来、勤務はしていません。

編集部注:アマゾンによると、スモールズ氏だけでなく、同じ感染者に接触したと確認された全ての従業員に14日間の自主隔離を要請し、隔離中の賃金も支払う予定だったと言う。

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