「外出禁止令(Shelter-in-place order)の発令を検討している。48時間以内に結論を出す」
米ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長が新型コロナウイルスの感染拡大に関する記者会見でこう発言したのは3月17日のことだ。Shelter-in-place orderというのは、どうしても必要な仕事や食料調達などの場合を除いて、市民は自宅に「避難」していなければならないとするもの。すでにサンフランシスコ市では同日から外出禁止期間が始まっていた。米最大都市の市長が実施を口にしたことで、「アメリカも“イタリア”になるのか」との懸念が米国中に広がっている。
ただ18日現在、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は「小さなエリアだけで実施しても人々が容易に移動できるため意味がない」と反対している。外出禁止令を出せばオフィスや小売店などが全て閉鎖を余儀なくされ、街は実質的に「停止」する。「慎重にならなければならない」とクオモ知事は説明する。
市長と知事で意見が分かれているため、実現するかどうかは現時点では分からない。だが、デブラシオ市長が外出禁止令発令の結論を出すのは19日とされる。その前日の昼間、街を歩くと見えてきたのは、同市長の実施に向けた決意だった。
静まりかえる米国最大の都市






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