男性の具合が悪くなったのは2月22日で、自宅近くの病院に赴いたのは2月27日になってからだった。そこで感染が発覚し、マンハッタンの病院に移された。20歳の息子はマンハッタンの大学に通い、14歳の娘はニューロシェルとマンハッタンの間のブロンクスにある高校に通っていた。男性の感染が分かった3月3日、娘の通う高校は用心のため休校し、息子の通う大学も4日、一部の授業をキャンセルした。

 この2人の子どもと男性の妻の感染が4日に判明。さらにこの一家の隣人などの感染が確認されており、ニューヨーク市や州政府は一家が一定時間、接触した人物の洗い出しに躍起になっている。なお、3日にこの弁護士の男性の容体が「深刻」と報道されていたが、4日になって「快方に向かっている」と変わった。

 感染者の氏名こそ非公開だが、注意を促すため、男性が入院する病院、子どもたちが通う学校、男性の勤務先など、感染者に関係する場所は一般市民に公開されている。これはニューヨーカーにとって安心の材料だ。

 4日昼ごろ、グランドセントラル駅を訪れると、通常に比べて人が少ないように見えた。駅の地下にあるフードコートに勤務する店員に混雑具合について聞くと、「ここは通常、ランチタイムには人でいっぱいになる。でも、今日はそこまででもないのは、新型コロナに感染した男性の勤務先が目の前だからだろう」と話してくれた。

4日昼ごろのグランドセントラル駅内の様子
4日昼ごろのグランドセントラル駅内の様子
地下のフードコートの人数は通常よりも少なかった。この店には除菌シートが常に置いてあるが、この写真のボトルの中身はなかった
地下のフードコートの人数は通常よりも少なかった。この店には除菌シートが常に置いてあるが、この写真のボトルの中身はなかった

「除菌が全て!」のニューヨーカー

 日を追うごとに感染者の数が増えているニューヨークでは、「皆でやるべきことをやって難局を乗り越えよう!」といった雰囲気が漂っている。

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