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2月29日、新型コロナウイルスについて記者会見を開いたトランプ大統領(写真:Alex Wong / Getty Images)

 米国で徐々に新型コロナウイルスの感染者数が増えている。2020年2月26日にドナルド・トランプ米大統領が新型コロナに関する記者会見を開いたが、29日に米国内初の新型コロナによる死者が出ると、同日に再び記者会見を開いた。更新した情報を公開するとともに、記者からの質問に答えるためだ。

 2回目の会見でトランプ大統領は「健康な人は(たとえ感染しても)完治する可能性が高い。一般の健康な人はパニックになることなくいつも通りの生活をしてほしい」と呼びかけ、「今後も状況が変わればすぐにこうした会見で情報を公開していく」と話した(2回目会見の様子)。

 感染者数については、米国でもさまざまな情報が行き交っていて分かりづらい。米疾病対策センター(CDC)のサイトを見ると、3月2日時点で政府機関で確認している感染事例の数は43、死者2となっている(関連サイト)。だがテレビ局などの報道によると、その数は刻一刻と増えている。米国内の感染者は3月2日午後5時過ぎ時点で91人、死者6人という状況だ(CNBCの関連記事)。

 3月2日現在、少なくとも筆者のいるニューヨーク周辺で大きな混乱は起きていない。3月1日にニューヨークで初の感染者が報告され、消毒剤など関連商品がマンハッタンの多くの店舗で欠品状態になってはいるが、街の様子に大きな変化は今のところ見受けられない。26~29日までワシントンDCに出張し、共和党支持者が1万人以上集まるイベントを取材していた。そこでもマスクをしていた人は筆者が見た限りではゼロだった。感染者数の多い韓国からも多くのメディアが来ていたが、日本出身の筆者も含め、新型コロナに関連する差別もなかった。

 29日夕刻にニューヨークに戻るため搭乗した飛行機内でも、マスクをしていた人はゼロ。筆者の真後ろに座っていた高齢の女性が頻繁に咳(せき)をしていたが、その女性自身が「きっとこの飛行機に乗っている全員が私と一緒に乗りたくないと思っているわね」と隣席の人に冗談を言い、その人と和やかに笑い合っていたほどだ。