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 10月21日夜、タイの首都バンコクにある首相府周辺には緊張感が漂っていた。各所から集まった警察が有刺鉄線などで首相府に通じる複数の通りを封鎖し、その後ろに立ち塞がってデモ隊がやって来るのを待ち受けた。王室カラーである黄色のシャツを着た、軍の関係者とみられる人々も警察に混じって首相府の防衛に当たる。さらに彼らの背後には16日夜にデモ隊を駆逐した高圧放水車も控えていた。

21日夜、首相府にいたる道路でデモ隊を待ち受ける警察

 14日以降、バンコクでは連日、大規模な反体制デモが起きている。ただ16日に警察の強制排除を受けると、デモが開かれる場所はギリギリまで公表されなくなった。参加者はSNSや秘匿性が高いとされるロシア発のメッセージアプリ「テレグラム」などで情報を得て機敏に動く。香港の民主化運動が手本になっているとみられている。

 21日、参加者はまず最寄り駅にそれぞれ集まるよう指示を受け、その後、戦勝記念塔に集合。さらにそこから4キロメートルほど離れた首相府に向け行進することが段階を追って明らかにされた。道を阻む機動隊と衝突しつつもデモ隊は進み、首相府の目と鼻の先まで迫る。

バスを挟んで警察と対峙するデモ隊。傘などを準備して放水車に備える