「着の身着のまま逃げてきたからお金がない。助けてほしい」。8月中旬、ミャンマーの大学に通う知人から支援を求めるメッセージが届いた。今年2月にクーデターを起こした国軍に強く反発し、反国軍デモに積極的に参加してきたという。だが弾圧が厳しくなり、近郊の農村に逃れざるを得なくなった。これまでも窮状を訴える連絡があったが、生活はいよいよ苦しくなっているようだ。
切実なメッセージを受けて、何とかお金を送ろうと考えた。ただ方法が見つからない。学生は他の多くのミャンマーの人々と同様、銀行口座を持っていない。あたふたしていると学生はタイの大手銀行の口座番号とQRコード、そしてミャンマー人と思われる名前と携帯電話番号が記された一枚の画像を送ってきた。「この番号に電話して彼と話してみてくれ」と言う。

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