タイで反体制デモが活発化している。7月ごろから首都バンコク市内だけでなくタイのあらゆる地域で現政権の退陣を迫り始めた。当初は学生らが中心だったが、日を追うごとにその規模は膨らみ、8月16日にバンコクで開かれた集会には、少なくとも1万人、報道によっては3万人ともいわれる人々が集まった。2014年のクーデター以来、最大規模と言われる。足元でも沈静化する気配はなく、連日のようにタイのどこかで何らかの抗議活動が行われている。

8月16日、厳しい暑さの中、強い日差しを防ぐため傘をさして反体制デモに参加する人々
 

 現政権は2019年3月の民政移管の総選挙によって誕生した。ただ最大与党である「国民国家の力党」は14年のクーデターで実権を握った軍の影響が濃く、実質的な軍政の後継政党と言える。上院は軍政が任命した議員が独占しており、軍政時代のプラユット暫定首相が今も首相を務めている。

 「タイ、反軍野党の解党命令で火がついた若者の怒り」でも指摘したように、強権的な政治に反発する動きは今年に入って徐々に活発化していた。新型コロナウイルスの感染拡大により一時は下火になったが、プラユット首相が3月末に発令した非常事態宣言を何度も延長して強権的な姿勢を強めると、運動は再び盛り上がりを見せ、さらに激化していく。

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