東南アジア各国で新型コロナウイルスの感染者数が急増している。感染力が強いとされるインド型(デルタ型)が猛威を振るい、ワクチン接種も遅れていることが感染拡大に拍車をかけている。その波は新型コロナ対策の優等生と見られてきたタイやベトナムにも押し寄せた。タイでは7月26日に1日当たりの感染者数が1万5376人と過去最多となり、5月まで累計の感染者数が3000人に満たなかったベトナムでも足元では同10万人を超えて拡大している。

 感染拡大と、これを抑え込むために各国が導入した封鎖措置により日系製造業のサプライチェーン(供給網)が危機に直面している。その影響を大きく受けたのがトヨタ自動車だ。タイでは一部部品の調達が困難になり、7月21日から国内にある3カ所の生産拠点が稼働を停止した。24~28日はタイの連休に当たるため、もともと稼働する予定はなかったが、29日以降も稼働停止は継続するとし、再開のタイミングについては未定という。部品を調達しているあるタイの国内工場で集団感染が発生、当局から一時的な閉鎖命令を受けた。そのあおりを受けた。

新型コロナウイルスの感染拡大で発生した東南アジアのサプライチェーン危機は日本にも波及しつつある。写真はトヨタ自動車の元町工場(愛知県豊田市)でイメージ(写真:つのだよしお/アフロ)
新型コロナウイルスの感染拡大で発生した東南アジアのサプライチェーン危機は日本にも波及しつつある。写真はトヨタ自動車の元町工場(愛知県豊田市)でイメージ(写真:つのだよしお/アフロ)

 さらにベトナムの感染拡大の影響で現地生産されている縫製関連部品の調達が滞り、7月22日には日本のトヨタ車体富士松工場(愛知県刈谷市)で7月末から5日間、一部生産ラインの稼働を停止すると発表。さらに7月27日には同吉原工場(同県豊田市)とトヨタ自動車田原工場(同県田原市)も8月3日から8月6日まで、合計3ラインの稼働を順次停止すると発表している。

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