東南アジア最大の格安航空会社(LCC)、エアアジア・グループは7月7日、配車サービス大手ゴジェックのタイ事業を株式交換方式で買収すると発表した。ゴジェックは対価としてエアアジア・グループでスーパーアプリを手掛ける子会社(AirAsia SuperApp)の発行済み株式4.76%を取得する。

 インドネシアを拠点とするゴジェックは、タイに加えてベトナムやシンガポールにも進出し、各国で配車やフードデリバリー事業などを展開している。ただ国外進出は競合するグラブに大きく出遅れた。タイでも配車ではグラブがゴジェックを圧倒しており、フードデリバリー分野でもゴジェックはグラブに加えフードパンダやLINEなどの後じんを拝していた。

タイのショッピングモール前に並ぶフードデリバリーのバイク。黄色いジャケットを着ているのがゴジェックのドライバー。

 タイの英字紙バンコク・ポストによれば、タイ事業を重荷としていたゴジェックがエアアジアに買収を持ちかけたという。交渉は比較的スムーズに進み、2カ月ほどで合意に至った。デジタル事業の強化を進めてきたエアアジアはゴジェックのタイ事業買収を突破口に、同国のデジタル市場に足場を築く狙いがある。

 ただ今回の両社の動きからは、タイのみならず東南アジアのデジタル市場全体を見据えた別の狙いも透ける。注目すべきなのは、ゴジェックがエアアジアのスーパーアプリ子会社の株式を取得したことで、両社が「長期的、戦略的なパートナーシップ」(エアアジア・グループのトニー・フェルナンデスCEO:最高経営責任者)を結んだ点にある。

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