開幕が間近に迫った東京五輪・パラリンピック。日本国内では新型コロナ渦中での開催の是非や方法を巡って様々な議論が今も飛び交っている。では東南アジアの人々は今回の五輪開催をどう見ているのだろうか。

タイの首都バンコクの街角で2020年5月に撮影された東京五輪のポスター。現在、こうしたポスターを見かけることはほとんどない(写真:AFP/アフロ)
タイの首都バンコクの街角で2020年5月に撮影された東京五輪のポスター。現在、こうしたポスターを見かけることはほとんどない(写真:AFP/アフロ)

 結論から言えば、少なくとも東南アジアの人々の間で五輪が話題になることはほとんどない。また感染拡大の収束のめどが立っていない中で日本が五輪を強行しようとしていることについては、冷ややかな見方も広がっている。

 「どうして日本は(新型コロナ感染が収まっていないのに)五輪をやりたがるのか。よく分からない」。あるシンガポールの会社員はこう疑問を口にする。シンガポールは新型コロナ感染の抑え込みに成功している。2020年8月下旬以降、1日当たりの新規感染者数は100人にも満たない状況が続く。ワクチン接種も進んでおり、人口100人当たりの累計接種回数は101.4回と日本(41.7回)を大幅に上回る。

 それでも今年6月に開かれる予定だったアジア安全保障会議(シャングリラ会合)は開催が見送られ、8月に予定されていた世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)も中止となった。「シンガポール国内では新型コロナの変異ウイルスに対する警戒感が非常に強い。足元では新型コロナとの共存を図る道を模索しているが、慎重な姿勢を崩すことはないだろう」とシンガポールの日系企業関係者は指摘する。

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