インドで新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大している。2020年9月をピークに、今年3月頃まで新規感染者数は1万人台に抑えられていたが、その後急激な増加に転じた。4月4日には1日当たりの新規感染者数が10万人を突破。15日には20万人、そして21日以降は連日で30万人を超えて推移している。各地で厳しい封鎖措置が導入されているものの、感染拡大のペースが衰える気配はない。

 首都ニューデリーの在住者は「医療は既に崩壊している」と話している。病院では患者の急増でベッドや医療用酸素が深刻なレベルで不足し、医療用の酸素不足で入院患者が死亡したとの報道も出ている。PCR検査を受けるのも難しい状況だ。「検査施設に長蛇の列ができており、検査を待っている間に感染する恐れがある。怖くてとても行けない」。在住者はこう話し、なんとか感染を免れようと自宅に閉じこもる。

ニューデリーの病院にある救急病棟で手当てを受ける新型コロナ患者。感染者数の急増で病床の不足が深刻化している。(写真:ロイター/アフロ)
ニューデリーの病院にある救急病棟で手当てを受ける新型コロナ患者。感染者数の急増で病床の不足が深刻化している。(写真:ロイター/アフロ)

 感染による1日当たりの死者の数も増え続けており、25日には2800人を超えた。タイムズ・オブ・インディアの報道によれば、ニューデリーでは死亡者数の急増を受け火葬場が過密状態となり、23日には一時的に火葬場を閉鎖することを迫られた。ただ「インドにおける新型コロナ感染による死者数は公式発表よりも多い恐れがある」とブルームバーグは指摘しており、実際のどこまで感染が拡大しているのか、これによる死者がどの程度発生しているのか、状況を把握するのが困難になっている。

 インド工科大学の専門家らによる見通しでは、感染拡大は5月半ばで続く。現感染者数が足元の約280万人から330万~350万人にまで増えた後、減少に転じるというが、上述の在住者は「現在の感染拡大のペースを見る限り、5月に落ち着くとはとても思えない。感染者数ももっと増えるのではないか」と不安視している。

続きを読む 2/3 ワクチンの輸出国から輸入国へ

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2138文字 / 全文2905文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「東南アジアの現場を歩く」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。