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 安倍晋三首相は4月7日、7都府県に対して緊急事態宣言を出した。同日の記者会見では「(人の接触の)7割から8割削減を目指し外出自粛をお願いする」と求めつつ「今回の緊急事態宣言は、海外で見られるような都市封鎖、ロックダウンを行うものではまったくない」「罰則があるようなものではない」「警察が取り締まるということはない」と、あくまで国民の自主的な行動変容を求めるものであることを強調した。

 対照的なのはインドネシアだ。同日、インドネシア政府は首都ジャカルタの州知事が求めていた行動制限措置について政府が承認した。こちらは制限を破った人に対し罰則がつく可能性が極めて高い。現地報道によれば、インドネシアの与党幹部は「抑止効果を持たせるため、治安部隊が活動できるようにしなければならない」と話し、国家災害対策庁の長官も違反者に制裁を科すことを明らかにしている。

射殺も辞さないフィリピン、棒で国民を打つインド

 東南アジアや南アジアの多くの国は、日本よりも感染者数が少ない段階から既に国全体や一部地域、施設の封鎖に乗り出している。その制限内容については様々だが、軍や警察が規制の徹底に乗り出していることや、違反者に何らかの罰則がつく点は共通している。

全土を封鎖しているインドで、不要不急の外出をしていると見られる人を打つ警察官(写真:ロイター/アフロ)

 全土を封鎖しているマレーシアでは、数万の警察や軍が各地の道路に展開し、人々の移動を監視している。外出している国民を取り締まり、現地報道によれば既に数百人が拘束されているという。制限の違反者には罰金や禁錮刑が科されるため、ある日系の工場関係者は当局の目を恐れ、封鎖中の工場のメンテナンスすらできずにいる。

 マレーシアと同じく全土を封鎖しているインドでも違反者には罰金、禁固刑が科される。さらに現地メディアは外出している国民を警察官が棒で打ったり、スクワットをさせたりする光景を報道している。「バイクを警察官に破壊された」と話す住民もいる。ある日本人在住者によれば、感染者が出た家は封鎖され、その家の住民の名前までさらされているという。