ウクライナからの避難民の受け入れに日本政府が積極的に動いている。日本は難民認定のハードルが非常に高いとされるが、政府は今回「避難民」という特例的な扱いで受け入れており、3月30日時点で337人が来日。4月5日にはポーランド入りした林芳正外相が20人の避難民を伴って帰国した。

 その様子を複雑な思いで眺めているのがミャンマーの人々だ。同国では昨年2月、国軍によるクーデターが発生。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、50万人以上が実権を握った国軍に追われ国内避難民となった。

国軍による襲撃を逃れるため、タイとの国境に流れる川を渡って避難するミャンマー人(写真:AFP/アフロ)
国軍による襲撃を逃れるため、タイとの国境に流れる川を渡って避難するミャンマー人(写真:AFP/アフロ)

 「ウクライナ人は日本に行けるのに、なぜ私は駄目なのか」。あるミャンマー人の男性はこう心境を吐露する。この男性はかつてヤンゴンに住み、ミャンマーや日本が関係する仕事で長年活躍していた。だがクーデターを機に状況は一変。反国軍活動に関与したとして逮捕される恐れが強まり、当局の目をかいくぐってヤンゴンを脱出した。

 男性は日本に難民として受け入れてもらうよう要請。日本側も当初は前向きな姿勢を示していた。だが手続きは遅々として進まない。男性は追い詰められていった。国軍と、これに反発する少数民族武装勢力や反国軍組織との間で激しい衝突が続き、戦火の足音は避難先の目前まで迫る。

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