全1610文字

 マレーシアのムヒディン首相が16日夜に演説し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月18日から31日にかけてマレーシア全土で移動制限を実施すると発表した。

 事実上の封鎖措置で、現地紙ザ・スターによればスーパーマーケットや市場、薬局など生活必需品を販売する店舗や、水や電気、通信など生活インフラを提供する事業者の施設、刑務所や防衛関連など最低限の政府関連施設を除き、全ての政府と民間の事業所が閉鎖される。教育機関も同様だ。

 マレーシア人の出国と、海外からの外国人の入国、イスラム教の関連行事を含む大規模集会は禁止される。マレーシア国民はメールなどを通じて禁止事項などが伝えられている。これによるとレストランは配達サービスのみ営業可能で、国民は近場への移動は可能だが、高速道路を利用して遠方に出かけることは禁止されている。

マレーシア政府は18日から全土を封鎖すると発表した。パニックのような買い占めは起きていないようだが、一部の小売店では品不足が顕在化している(写真:ロイター/アフロ)

 マレーシア保健省によれば、新型ウイルスの感染者数は現地時間16日午後5時の段階で553人と、イタリアやドイツ、韓国、イランなど数千人から2万人を超える感染者を抱える国と比較すれば多くはない。ただ3月14日まで197人だった感染者数が、16日には553人に急増したことで、危機感を強めた政府が封鎖に踏み切った。ザ・スターによれば、ムヒディン首相は「一部の国では短期間で感染者が数千人に拡大した。同じような事態が起こることを避けたい」と話している。

 首都クアラルンプールに住むマレーシア市民や日本人の在住者によれば、17日の段階ではパニックは起きていないという。「人々は平静を保ち、18日からの事業所閉鎖を前に通常通り出勤している。ただ人通りは少なく、いつもの半分程度の感覚だ」と日本人在住者は話す。既にスーパーマーケットでは食品や日用品を買いだめする動きが出ており、商品は不足気味になっているものの、「住民がパニックになって買い占めに走っている様子はない」と日本人在住者は話す。