ロシアによるウクライナへの侵攻は、平時ではそれほど目立つことがない、各国の「もう1つの顔」を浮き彫りにしている。

 2月25日、国連安全保障理事会で採決にかけられたロシアを非難する決議案は、常任理事国のロシアが拒否権を行使したことで否決された。当事者であるロシアが拒否権を発動することは想定内だ。問題は、ロシアの国際的な孤立を強調するという狙いが十分に果たされなかった点にある。ロシアのウクライナ侵攻に対して、理事国間で温度差があることが鮮明になった。

 採決では中国とアラブ首長国連邦(UAE)、そしてインドが棄権した。インドは世界最大の民主主義国家として知られる。それにもかかわらず、なぜ同国は民主主義を脅かすロシアの行為について明確な態度を取ることを避けたのだろうか。

 24日、ロシアのプーチン大統領と電話会談したモディ首相は、この場で暴力の即時停止を求めたという。だがインドは制裁には慎重な姿勢で、同国紙ビジネス・スタンダードによれば、「これまでのところロシアのウクライナ侵攻について非難をすることも控えてきた」という。

2021年12月、ロシアのプーチン大統領はインドを訪問し、モディ首相と会談。軍事技術協力などで合意した(写真:AFP/アフロ)
2021年12月、ロシアのプーチン大統領はインドを訪問し、モディ首相と会談。軍事技術協力などで合意した(写真:AFP/アフロ)

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