2月17日、日本で新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まった。厚生労働省によれば、政府は全国民分のワクチン確保を目指しており、2022年2月末までに順次接種していく方針という。
このニュースを東南アジア各国に住む日本人は複雑な思いで受け止めている。「自分たちはいつワクチン接種を受けることができるのだろうか」「我々はワクチン難民になるのではないか」。各国に住む日本人からはこうした不安の声が出ている。
インドネシアやシンガポールなどでは既にワクチン接種は始まっている。他国でも調達は進んでおり、例えばタイでは2月24日までに中国シノバック・バイオテック製ワクチン20万回分が、ベトナムでは28日までに英アストラゼネカが開発したワクチン約20万本が到着し、先行接種が近く始まるとみられる。ただ各国政府が進める接種プログラムに、日本人をはじめとした外国人が含まれるかどうかについてはまだ不透明な場合が多い。

シンガポールやマレーシア、タイ政府は外国人も接種対象とする方針を示している。シンガポールは「外国人を含む」全希望者が年内にも接種を受けられる見通しだ。同国は既に全人口分のワクチンを確保しており、域内では「ワクチン先進国」となっている。現段階では医療関係者や高齢者への接種が進んでおり、「いずれ自分たちにも順番が回ってくるだろう」(日本人在住者)との見通しだ。タイやマレーシアの場合は方針は示されているものの、具体的な接種計画については明らかではない。
一方、フィリピンでは日本人を含む外国人は公的な接種プログラムから外されそうだ。現地の日本語紙、まにら新聞が2月9日、大統領報道官に取材したところによれば、外国人は政府が実施するワクチン接種の「対象外」で、報道官は「民間(病院や企業単位)で行ってもらうことになる」と話したという。
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