全3708文字
(写真:新華社/アフロ)

 3月22日までの4日間、湖北省における新型コロナウイルスへの新規感染数は連続してゼロにとどまった。各省から湖北省に派遣された医療チームは3月17日から引き揚げ始め、その人数は3月20日までに1万2000人に上った。しかし、一部のチームは、同時に引き揚げることができなかった。各地から派遣された疾病対策部門の予防対策スタッフ達が、一時的に引き揚げを見合わせることになったのだ。

 3月20日、湖北省新型コロナウイルス肺炎疾病対策本部は「国及び各省による疾病対策チーム引き揚げの一時延期に関する通知(以下、通知)」を出した。この「通知」によれば、「我が省における新型コロナウイルス肺炎の流行状況を踏まえ、さらなる疾病対策とコントロールのため」、国と各省が派遣した疾病対策チームの湖北省からの引き揚げを一時延期し、引き続き関連作業に従事するよう求めている。引き揚げ時期については中央指導部の疾病対策部が決定した後、別途通知するとしている。文書は19の省(区、市)の対策本部に送付された。財新記者が湖北省の疾病対策本部に問い合わせたところ、この文書が事実であることが確認できた。

 中国疾病対策予防センター(中国CDC)の関係者は、疾病対策チームの引き揚げ延期は国が「武漢、湖北省は引き続き予断を許さない状況にある」と見ているためで、さらに数日とどまらせ警戒を続けるとしている。中でも懸念されているのが、無症状の新型コロナウイルス感染者である。もし、確定感染例の増加ゼロを維持することができて状況が安定すれば、疾病対策チームの引き揚げは許可される。

 武漢の疾病対策機関の内部関係者は財新記者に、病院などの医療機関は規模が大きく人材も豊富であるのに対し、疾病対策機関は比較的少ない人数しかいないと説明した。武漢は感染の中心地であり病例数も多いため、疾病対策チームが引き続きとどまるなら、「調査や感染源の特定などの仕事がたくさんある」と言う。

 前述の中国CDC関係者は、「現在、毎日数例から十数例の無症状陽性者が発見されており、武漢における伝染が完全に阻止できたか判断することはできない」としている。

無症状は統計に入れない中国

 無症状の感染者をどのように特定するのだろうか。中国CDCの専門家によると、現段階での無症状感染者は、入院患者や医療観察中の濃厚接触者、隔離施設にいるスタッフ、感染確率の高い作業に従事するスタッフなどに対する検査で発見されている。

 3月22日未明、武漢市政府報道事務局は微博(ウェイボ)の公式アカウント「武漢公布」でこう発表した。論争を引き起こした3つの「新規感染例」について集中的に分析し、その中で、麗水康城地区に住む張さんは無症状感染者であり、「新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン(第6版)」に基づいて、無症状感染者は確定感染例には入れないと述べた。

 現在、中国当局は無症状感染者を確定感染例として数えていない。インターネットによる報告システム上では個別報告を求めているが、外部には発表していないのだ。中国CDCは2月5日、無症状感染者を一時的に確定感染例として報告するよう指示したが、2日後の第4版診療ガイドラインで再び個別報告するように切り替えている。