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多くの店舗や中小企業が停止状態になった中国(写真:新華社/アフロ)

 華東、華南という2大産業拠点の操業再開は急ピッチで進んでいる。2月19日、国家発展改革委員会は広東省、江蘇省、上海などの経済発展地域における製造業大手の再開率は50%を超えたと発表した。

 一方、浙江省の統計によると、製造業大手の5割、サービス業の2割以上の企業は再開したが、省内企業全体の生産率がまだ昨年同期の3分の1程度までしか回復していないという。企業の操業再開は、大手だけが再開しても本格的な回復にならない。まだ数多くの中小企業は再開の要件を満たしていないからだ。サプライチェーンの1カ所でも切れていれば、そこにはダメージが残る。

 「川上、川下のサプライチェーンをぴったりと合わせることは難しい。今日はどこも取引先に依存しているので、一つでも部品が欠けると操業は再開できない」。江蘇省鎮江市政府副主任の閔佳氏は鎮江市の回復を巡り、サプライチェーンの重要性を指摘した。

 浙江省義烏市にある双童日用品公司の楼仲平社長は「大手企業は中小企業に支えられている。中小企業は零細企業に支えてもらっている」とし、主力商品であるストローを例にとって説明してくれた。段ボールやビニール袋、箱などの原材料は大手や中堅企業の再開に伴って、次第に出回るだろう。しかし、どの製品一つとっても数千種類という細かい原材料で作られており、その材料はさらに小さな企業に依存している。それらの零細企業は、大手のように操業を再開できるほど恵まれていないのだ。

 経済の毛細血管は詰まったままだ。「浙江省では行政が協力的だが、全国どこでも同じとは限らない。現実に原材料は全国の津々浦々から調達している。江蘇省は無錫や常州、昆山、鎮江などからも買い付けている」(楼仲平社長)

 義烏のあるアパレルメーカーも、同じ難局に立ち向かっている。広州などにある生地メーカーの操業再開のめどが立たず、川下の染色工場の再開に待ったがかかった。従業員が戻ってきても、稼働の見通しは立たない。この企業の責任者は歯に衣(きぬ)着せず、こう言い放った。「政府が再開を呼びかけた対象は、あくまでも要件を満たした企業だけだ。しかし7~8割を占める中小企業への支援はまだ追い付かない。再開に当たって求められる感染対策チームの立ち上げや薬品と備品の用意などは、一部の中小企業にとっては、とても無理な相談だ」

 一部都市では再開審査手続きを見直し、規制緩和に踏み切った。2月16日、杭州の感染防止指揮部は「企業と建設工事の再開加速化に関する通知」を公表した。飲食業などネガティブリストに載っている企業を除いて審査手続きの必要をなくし、申告のみで操業を再開できるようにしたのだ。省、市レベルの重要プロジェクトは2月17日までに全面的に再開すると宣言した。