(写真=AP/アフロ)
(写真=AP/アフロ)

 証券会社が投資アドバイス(助言)業務に参入しやすくするため、金融庁が動き出した。現在の投資助言・代理業の規制を緩和するために、早ければ年内にも金融商品取引法(金商法)の内閣府令を改正する。

 現在、金融庁の金融審議会は年末に発表予定の岸田政権の目玉政策「資産所得倍増プラン」策定に向け、同プランに盛り込む具体策をまとめている。投資助言業の規制緩和の話は、適切な金融商品の販売・開発体制を議論する過程で浮上したものだ。

 現行の金商法では、証券会社が個別銘柄の推奨など投資助言を有償で行う場合は、第1種金融商品取引業者に加え、投資助言業を兼ねる必要がある。登録に当たっては、個々の職員名の記載が必要で、変更があった場合の届け出も必要だ。

 事務手数料などがかさむため、今まで証券会社が投資助言業を兼業することはほとんどなかった。多くの証券会社は、助言業務を金商法が定める「付随業務」と捉え、顧客に無償提供するのが慣行だった。

 しかし、証券会社を取り巻くビジネス環境の変化が、助言業務の位置づけを変えようとしている。これまで商品を売り買いするごとに徴収していた売買手数料は、短期間での商品乗り換えを勧める営業手法が「顧客本位でない」と、金融庁から是正されたため、収益源としては見込みづらくなった。代わりに注目されているのが、顧客の保有資産の残高に応じて手数料を徴収する残高手数料だ。

 残高手数料は顧客の資産が増えないと金額が増えない。売買手数料よりもシビアな手数料体系となるだけに、別の収入源の確保が求められる。そこで助言業務の存在が注目されることとなった。

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