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みずほフィナンシャルグループが新たに導入することを明らかにした週休3~4日制。多様化する働き方に対応したものだが、人員削減をせずに雇用を維持する「ワークシェアリング」を狙ったものともいえる。コロナ禍をきっかけに導入を検討する企業も増えているが、働く側にとっては老後の生活設計にも影響するだけに利用する際には注意も必要だ。

(写真:西村尚己/アフロ)

 メガバンクの中でいち早く社員の副業を認めたみずほフィナンシャルグループがさらなる多様な働き方にチャレンジしようとしている。それが週休3~4日制の導入だ。労働組合との交渉を経た後、傘下のみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などグループ6社の正社員約4万5000人を対象に12月以降、順次始める。増えた休みはキャリアアップのための勉強や介護、副業などに利用してもらう予定だ。基本給は週休3日の場合は80%程度、週休4日の場合は60%程度となる。

 「人生100年時代」との言葉の通り、人間の平均寿命が延び、生活のためにも長く働かなければならない時代となった。だがその一方で、終身雇用の慣習はすでに過去のものとなりつつある。副業やスキルアップなどを通じて、若いうちから長く働ける環境を準備することの重要性が、若年層中心に認識され始めている。企業も社員の面倒を一生見るのではなく、キャリアアップにつながる自由な働き方を提供することで、向上心ややる気を持った人材を集めようとしている。

 みずほが多様な働き方にこだわるのは、銀行の厳しい経営環境も関係している。人口減少やデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れで、銀行の業務量は今後確実に減ることが予想される。そんな逆風の中でも有能な人材にみずほの門を叩いてもらうためには、1つの組織に縛られない、社外でも活躍できるスキルが磨ける自由度を社員に与えた方が効果的との判断がある。

 多様な働き方を担保するのみならず、週休3~4日制には雇用を守るといったメリットも期待できる。労働者1人当たりの労働時間短縮により仕事を分担しあう「ワークシェアリング」の考え方に基づいているからだ。企業は人件費を抑えながらより多くの人を雇うことが可能になる。