楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(写真:つのだよしお/アフロ)
楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(写真:つのだよしお/アフロ)

 みずほフィナンシャルグループ(FG)と楽天グループは10月7日、みずほ証券と楽天証券ホールディングス(HD)の資本業務提携を発表した。みずほFG傘下のみずほ証券が、楽天証券HDの主要子会社である楽天証券に約800億円出資し、株式の2割を取得する。

 「三木谷さんの出身を考えても、みずほが資金面で支えるということなのだろう」。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長と親交を持つ、あるIT(情報技術)企業社長は、出資話を聞いてこう理解したという。三木谷氏はみずほ銀行の前身となる日本興業銀行の出身だ。

 提携に際して掲げた理由は、「ハイブリッド型の総合資産コンサルティング」の実現。対面サービスとオンライン取引基盤を掛け合わせたサービスの提供を目指そうとしている。だが、関係者の間では「真の目的は、みずほから得た資金を楽天グループの財務状況の改善に充てることだろう」との見方が多い。

 現在、楽天グループは大幅な赤字決算と財務状況の悪化に見舞われている。新規参入した携帯電話(モバイル)事業で、基地局整備などの先行投資がかさんでいるためだ。1~6月期のモバイル事業の営業損失は2593億円。少しでも収支改善をはかろうと、契約獲得の目玉だった、月額「0円」でも利用できるプランを7月に廃止したが、顧客離れが生じた。22年1~6月期の連結決算(国際会計基準)における楽天グループ全体の最終損益は1766億円の赤字と、前年同期の700億円の赤字から倍以上に膨らんだ。EC(電子取引)事業や金融事業の利益を、モバイル事業が食い潰している。

 モバイル事業の苦戦は、グループ全体に悪影響を及ぼしている。22年6月末時点の社債および借入金は約2兆5370億円に上り、財務体質の改善は待ったなしの状況だ。

 楽天グループはこの莫大な有利子負債を、楽天銀行および楽天証券の上場を通した資金調達によって穴埋めしようとしている。楽天銀行については7月4日、上場申請を行った。楽天証券に関しては、5月24日に上場準備開始を発表。10月3日には、楽天グループ直下に新設する楽天証券ホールディングス(HD)に、楽天証券を子会社としてぶら下げる組織再編を行った。これにより、上場申請を行う会社は楽天証券HDとなった。

 楽天証券HDは楽天証券のほかに、投資信託の運用会社楽天投信投資顧問や、暗号資産取引所を運営する楽天ウォレットを子会社として抱える。楽天グループは、組織再編の理由を「証券事業における一層の顧客基盤および業績の拡大」「楽天エコシステムにとどまらないあらゆる分野での多様な成長」と説明しているが「本音は別のところにある」と一部の市場関係者は見る。

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