フィンテックを活用した資産運用サービスを提供するベンチャー企業が大手金融機関と手を組む動きが相次いでいる。8月31日、ロボットアドバイザーを手掛けるフォリオホールディングス(東京・千代田)が、SBIホールディングスに買収されることが発表された。同じくロボアドのお金のデザイン(東京・港)は8月1日に、証券口座や顧客管理などの業務をSMBC日興証券に譲渡している。

 顧客から預かった資金をAI(人工知能)が投資家の希望や市場環境に応じて適切に投資配分するロボアドバイザーは、投資の知識も必要なく小口資金で始められるとあって、人気が出始めている。そんな状況下で既存の大手証券と組む理由は何なのだろうか。

SBIホールディングスに買収されることが決まったフォリオホールディングスの甲斐真一郎CEO(写真:陶山勉)
SBIホールディングスに買収されることが決まったフォリオホールディングスの甲斐真一郎CEO(写真:陶山勉)

 背景にあるといわれているのが、収益化のために顧客基盤の強化が欠かせなくなっている状況だ。顧客の預かり資産の額に応じて手数料を徴収する資産管理型ビジネスは、資産を増やさないと収益化のめどが立ちにくい。「安定した経営には100万口座、預かり資産も1兆円近くあった方がいい」(ネット証券関係者)との声もある。

 フォリオ、お金のデザインの業績は2021年3月期、それぞれ17億2300万円、11億6800万円の赤字だった。今年、預かり資産が5000億円を超えたロボアド最大手、ウェルスナビですら、20年12月期はマイナス10億円と採算割れの状態だ。年々赤字幅は縮小しているが、収益を黒字にもっていくためには預かり資産を増やすペースをさらに加速していかなければならず、大手と協力する道を選んだと考えられる。

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