「約款では5営業日以内に保険金の支払いをしなければならないので、他部署から応援を呼んで対応している状態だ。いつまで続くのだろうか」。大手生命保険会社にて、保険金支払い担当のある社員はこう嘆く。

 新型コロナウイルス第7波の拡大は収束の兆しが見えず、感染者数は1日に24万人を超えるまでになった。生保各社には連日、医療保険の加入者から、コロナ関連の入院給付金の申請が殺到している。審査では、医師からの診断書や、保健所や自治体が発行した、療養期間を証明する書類などを細かく見るとともに、不正請求でないかどうかも確認しなければならない。書類をさばききれず、支払部門の担当者たちは、夏季休暇の予定を返上して対応に当たっているという。

新型コロナウイルス第7波で自宅療養などによる「みなし入院」が増えている(写真=PIXTA)
新型コロナウイルス第7波で自宅療養などによる「みなし入院」が増えている(写真=PIXTA)

 件数増を受け、生保各社が支払う金額も増えた。生命保険協会によると、コロナ関連の入院給付金の支払いは、2022年の第6波以降、感染者数に比例する形で急増している。6月の1カ月間で加盟42社が支払った入院給付金の件数は約72万件、支払額が約640億円と、ともに過去最高だった。対前年同月では12倍に上る。

 日本生命保険の22年4~6月期のコロナ入院給付金の支払額は、前年同期比20倍。今後も増え続ければ、保険会社の業績に与える影響は無視できない。他の生保にも同様の傾向があるという。

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