金融庁は6月25日に「資産運用業高度化プログレスレポート2021」と呼ばれる、主に投資信託をめぐる運用会社や販売会社の課題をまとめた報告書を公表した。昨年、同様の趣旨で初めてリポートが出された際は、資産運用業界で大きな話題となったが、今年も国内外の運用会社に関するヒアリングや調査を通じて「金融庁が日本の運用業界について不満に思っている点」(大手運用会社幹部)が分かる内容になっている。

 投信は家計の資産形成を支える上で有力な金融商品である。金融庁が公表したデータによれば、投信を活用した資産形成手段の1つであるつみたてNISA(少額投資非課税制度)の口座数は2020年末時点で300万口座を突破し、19年末比で59%増となった。昨年3月以降の株高やコロナ禍を機に自分のマネープランを見直す動きが活発化したことも背景にあると考えられる。雑誌「日経マネー」が今年4月から5月にかけて約2万5000人を対象に実施した調査では、20代の6割超がつみたてNISAを利用していると回答しており、若年層を中心に支持が広がっている。

 それだけに、投信の供給元である資産運用会社が果たす役割は重要だ。リポートでは、資産運用会社の運用能力、投信購入者が支払う販売手数料や信託報酬といった手数料体系のあり方、投信の販売方法など、広範囲なトピックが網羅されている。とりわけ資産運用会社が中長期にわたり良好で持続可能な運用成果を上げるためには、健全な業務・運用体制が欠かせない点を強調している。これは、昨年のリポートにおいてもページが割かれていたトピックだ。

 
(写真:PIXTA)

 資産運用会社の健全性を考えるにあたり、リポートでは国内公募投信のうちアクティブファンドのパフォーマンスを運用会社ごとに示し、比較している。下の図は、過去5年間の運用実績をもとに「シャープレシオ」と呼ばれる投資信託の運用効率を測る数値を使って、日本で販売されている公募アクティブファンドのパフォーマンスを各運用会社の純資産総額の大小に沿って比較したものだ。

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