(写真:森田直樹/アフロ)

 家電量販店の「ヤマダ電機」を展開するヤマダホールディングスは、子会社を通じて銀行代理業の認可を取得し、7月1日から銀行サービス「ヤマダNEOBANK(ネオバンク)」を始める。預金、決済、融資の各機能に対応しており、キャッシュカード一体型のデビットカード発行や、家電・家具購入費を合算できる住宅ローンなどを展開する。同社のポイントサービスとも連携させる。

 ヤマダが銀行サービス参入を通じて目指すのは、本業の家電・家具販売、リフォームサービスの促進だ。ヤマダは家電をコア事業に据えながら、住宅まわりのサービスを一体展開する「暮らしまるごと」戦略を掲げる。2019年に家具販売の大塚家具、20年には木造住宅、リフォーム事業を手掛けるヒノキヤグループを傘下に収めた。今回の銀行サービス進出は、一連の戦略のさらなる深化を狙った動きといえる。住まいに必要なモノやサービスを提供するだけでなく、購入資金の工面や支払いといったサービスも抱え込めば、今まで以上にワンストップのサービス展開が可能になる。

 こうしたヤマダの戦略は、小売業で目立つ「Retail as a Service(RaaS:リテール・アズ・ア・サービス)」と捉えることもできる。RaaSは、従来の小売業にさまざまなサービスを組み合わせることで、顧客の買い物体験の価値向上を狙うもの。「買ったら終わり」になりがちな顧客との関係をつなぎ留め、収益機会を拡大する効果が見込める。

 ヤマダのように、自身は銀行免許を持たず、既存の銀行と提携してオンラインでさまざまな銀行サービスを提供するモデルは「ネオバンク」と呼ばれており、欧米ではすでに広がりを見せている。ネオバンクが広がる背景にあるのが金融とテクノロジーが融合した、フィンテックの台頭だ。

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