世界の株式市場が乱高下している。きっかけは米連邦準備理事会(FRB)にて利上げ時期の前倒し観測が広がったことと、セントルイス連銀のブラード総裁が米テレビにて「インフレが加速すれば2022年にも最初の利上げをするだろう」と発言したことだった。FRBの関係者の間で、利上げに前向きな「タカ派」が急増していることが、市場参加者の不安をあおった。

 6月18日のダウ工業株30種平均は前日比1.6%安、週間でみると3.4%安と今年に入り最大の下落率を記録した。だが翌週の21日は6営業日ぶりに反発し、2%高で取引を終えた。1週間かけて下がった分の半分以上を取り戻したことになる。

「インフレが我々の予想よりも高く根強いものになる可能性もある」と語ったFRBのパウエル議長。22日には米下院特別小委員会でパンデミック緊急融資や資産購入プログラムについて証言する(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 こうした米国株の動きにつられる形で日本株市場も大きく動いている。そのボラティリティー(変動率)は米国株を上回る勢いだ。21日の日経平均株価の下落率は3%超。NYダウの1.6%の倍近く下がった。そして翌日は3.12%高の2万8884円で取引を終えた。こちらも米国株と比べても上昇率が高い。

 「あきらかに過剰反応。同時に、日本株の取引参加者層が分厚くないことが改めて浮き彫りとなった」。こう話すのは、広木隆・マネックス証券チーフ・ストラテジストだ。

 広木氏は、日本株が米国株を上回るボラティリティーになってしまう要因の1つに、日本の機関投資家の運用スタンスを挙げる。年金をはじめとする日本の機関投資家は、市場の動きに連動するベンチマーク運用であるのがほとんどだ。

 加えて、現金などの余剰資金を持たないフルインベストメントが基本。したがって、市場が大きく下がっても追加投資する資金余力がない。「下がった時に買い向かう」投資家が海外市場に比べて少ないのが日本株市場の特徴といえるだろう。

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