つい半年前までは新型コロナウイルスワクチンについての動向に一喜一憂していた株式市場。最近は長期金利の上昇、すなわちインフレ懸念に振り回される状態が続いている。

 インフレに敏感なのは株式市場だけではない。商品市況の動きに目を転ずれば、4月中旬以降、様々なものの値段が一斉に上がり始めている。過剰流動性相場で行き場を失った資金がコモディティーに流れる現象は世界の中央銀行が金融緩和に舵(かじ)を切った昨年以降も見られていたが、上昇の動きがより顕著になっているのだ。

 原油価格がそのいい例だろう。今年はじめ、1バレル46ドルだったWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、わずか4カ月余りで65ドル台と20ドル近く上昇している。

 ほかにも、自動車の排ガス抑制に使われるパラジウムがスポット価格で初めて1オンス=3000ドルを突破。シカゴ・マーカンタイル取引所における木材先物も1000ボードフィート(約2.36m3)当たり1600ドルと史上最高値を更新した。銅の国際価格は10年ぶりに1トン当たり1万ドルを超えた。鉄鉱石、とうもろこし、砂糖、菜種油、パーム油も高値圏で推移している。

(写真:Shutterstock)
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 一連のコモディティー価格の急上昇について、楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「もはやお祭り状態」と話す。背景にあるのが、米国や英国など、先進国のワクチン接種率の高まりだ。集団免疫が獲得されれば、経済活動は正常化へと向かう。それまで手控えられていた設備投資や消費が一気に回復する可能性が考えられる。 

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