3月21日の主要都市における緊急事態宣言解除から1カ月もたたないうちに、感染が再拡大している新型コロナウイルス。政府は緊急事態宣言に準じた措置である「まん延防止等重点措置」を、医療体制に支障が出る恐れのある地域に順次、適用している。対象地域は大阪、東京、神奈川、愛知など計10都府県となった。

JR新宿駅前で外出自粛などを呼び掛ける都や区の職員ら(写真:共同通信)
JR新宿駅前で外出自粛などを呼び掛ける都や区の職員ら(写真:共同通信)

 しかし、大阪府や東京都などではより感染力が強いと言われる変異ウイルスの影響もあって、感染の急拡大に歯止めがかからない。大阪府はさらに人流を抑える必要があると判断し、政府に緊急事態宣言の発令を要請する。東京都も要請する方向で検討を始めている。

 もっとも、まん延防止措置も緊急事態宣言も、主な感染抑制策は飲食店への時短要請・休業要請である点においては変わらない。緊急事態宣言になると休業要請・命令ができるためより効力は強まるものの、主に夜間を意識した対策である。日中の人の流れを抑える効果は限定的だろう。そのため大阪府の吉村洋文知事は、百貨店やテーマパークにも休業要請を行うことも視野に入れているという。

 いずれにしても、飲食・サービス業中心に悪影響が出るのは避けられないだろう。野村総合研究所の木内登英氏は、10都府県のまん延防止措置適用により発生する経済損失(個人消費の減少)は7750億円で、3万1000人の雇用に影響を与えると見積もった。同氏は「2回目の緊急事態宣言による経済損失の推定値6兆3000億円と比べればまだ1割強程度だが、今後もまん延防止措置の対象地域のさらなる拡大、緊急事態宣言の再発令が予想される。損失の規模は2回目の緊急事態宣言時に近づいていくのではないか」と見る。

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