(写真:PIXTA)
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 ロシアのウクライナ侵攻を機に、戦争や災害などの有事に安全資産として買われる「金」に注目が集まっている。国際指標であるNY金先物市場価格はウクライナ情勢の緊迫化に伴って上昇し、3月7日に一時1トロイオンス=2000ドルを超えた。2000ドルを超えるのは2020年8月以来のことだ。

 ウクライナ侵攻前まで、金価格を動かしてきた材料は米国の金融政策だった。21年は米国で急速に進むインフレを受けてFRB(米連邦準備理事会)が緩和縮小・利上げに動くのではとの思惑から米国の長期金利が上昇。ドルも買われる動きが活発化した。こうした下落する材料が多い中でも、金の価格は1700~1800ドル台を推移し堅調な動きを見せた。

 これについて、ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「米長期金利の上昇を予想インフレ率の上昇が相殺したため、米実質金利はさほど上がらず、金が買われた」と見る。また、一部の市場関係者の間では「22年1月に入っても金価格が下がらなかったのは、金利上昇を受けた米国株の急落で、安全資産としての『見直し買い』の動きもあったのでは」との声も聞かれる。

 そんな状況の中で起こったウクライナ侵攻により、金価格は一段高となった。

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