
新年最初の取引となる大発会。日経平均株価は前営業日から377円以上下落し、2022年3月15日以来の安値を付けた。大発会が下落でスタートするのは2年ぶりだ。22年末および23年年初の米国市場が下落となった上、円ドル相場では1ドル=129円台まで円高が進んだことが、株式市場で売り優勢の状況となった。
翌1月5日の終値は103円高の2万5820円。上昇幅は限定されており、さえない相場展開が続いている。日銀の緩和修正をめぐる政策の不透明感が相場の重しとなっているようだ。
残念なスタートとなった23年だが、干支(えと)となる卯(う)年の相場格言は「跳ねる」で、大きな飛躍があるとされる年だ。第2次世界大戦以降、過去6回の卯年相場の成績は、日経平均ベースで「4勝2敗」。その上昇率は高い傾向にあり、中でも1951年は62%、99年はバブル経済崩壊後でありながらも32%上昇している。
逆の2敗に関しては、63年7月に当時の米ケネディ大統領が内外金利差を標準化させ資本移動に一定の制限を課す金利平衡税導入やケネディ大統領暗殺、2011年の東日本大震災、欧州金融危機などが影響した。アップサイドも大きいが、大きな経済変動にも見舞われやすく、ダウンサイドも大きいのが卯年の特徴なのかもしれない。
相場格言は、何でも上昇に結び付けたい証券業界の古い慣習と捉えることもできるだろう。しかし、バブル経済や金融危機は一定の間隔で繰り返される。相場格言は、先人の経験に基づく、景気循環への示唆ともいえる。
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