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駿台予備学校を有する駿河台学園(東京・千代田)は7月22日、AI教材の開発と販売に取り組んでいるatama plus(東京・品川)と共同で7月27日~8月9日に実施を予定している大学入学共通テスト対策の国内初オンライン模擬試験の申込者数が4万1819人に達したと発表した。新しい模験の場合、初回は申込者が多く集まらないとされてきたが、今回のオンライン模試の申込数は予想以上に多かったという。駿台がなぜオンライン模試を実施することになったのか、その理由について、駿河台学園専務理事の山畔清明氏に話を聞いた。

駿河台学園専務理事の山畔清明氏(写真:小林 淳)

今回、atama plusと共同でオンライン模試を実施したきっかけは何でしょうか?

山畔清明・駿河台学園専務理事(以降、山畔氏):そもそも駿台としてリアルな会場を使って模試を実施してきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で会場を借りることができなくなりました。5月に予定していた模試は見送りました。大学などがキャンパスを閉鎖していて会場を確保できなかったのです。6月については、駿台予備学校の生徒など一部しか実施できず、従来通りにはできませんでした。

 新型コロナが収束しないと十分な形で模試ができないということで、オンライン模試の実施に踏み切りました。オンライン模試なら、地方の生徒でも気軽に受けられるようになります。以前であれば、生徒自身がパソコンを持っているかどうかなど、オンライン模試を実施できる環境ではなかったかもしれませんが、ここにきて保護者もテレワークによって自宅で仕事をするようになるなど、パソコンやWi-Fiなどの通信環境が整ってきたということもあり、実施できるタイミングだと判断しました。

地方の申込者の割合が23%から30%に

 おかげさまで申込者数は4万1819人に達しました。7月12日にリアルな会場を使った通常通りの模試「駿台共通テスト模試」を実施しましたが、参加者は3万3578人と、オンライン模試よりも少なかったのです。先ほども言いましたが、地方の生徒が気軽に受けられるので申込者数が予想以上に多かったのだとみています。実際、駿台共通テスト模試の場合、全体の23%であるのに対して、駿台atama+共通テスト模試の場合は30%と地方の生徒の割合が増えました。

 そもそも新しい模試の場合、初回はほとんど生徒が集まりません。初回で4万人を超えるというのは驚くべきことです。オンライン模試に対するニーズがいかに多いか、よく分かりました。オンライン模試の告知は5月下旬でしたが、もう少し前に告知していたら、もっと多くの申込者数になったと思います。

初回のオンライン模試は無料ですが、いずれ有料にするのでしょうか?

山畔氏:はい。ただ、いつの回から有料にするかは、今の段階では白紙です。状況を見ながら、オンライン模試でも学力を測るのに十分だと生徒さんに実感していただいたときに有料にしようと考えています。いずれにしても、次回どうするのかは決まっていません。

オンライン模試が終わった後に、生徒さんにアンケートをとったりするのでしょうか?

山畔氏:アンケートはとりませんが、模試を受けてすぐに結果を生徒にフィードバックするだけでなく、どこが理解できていないから問題が解けなかったのかをAIで導き出せるので、生徒も学力を測るのに十分だと実感してもらえるのではないかと思います。この点がこれまでの模試にない、オンライン模試の大きな特徴であり、生徒にとってとても役に立つはずです。