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2022年4月にカンパニー制から持ち株会社制に移行することを決めたパナソニック。就任から8年が経過した津賀一宏社長は、領域が多岐にわたって35もある事業を効率よく管理するための最適な組織の形を探し求めてきた。社長交代と同時に発表した新しい組織の形に津賀氏が込めた思いとは。

経営方針説明会で持ち株会社制移行の狙いを語ったパナソニックの津賀一宏社長(左)。21年6月に社長に就任する楠見雄規常務執行役員も登壇した(写真:つのだよしお/アフロ)

 「事業内容を細かく深く見て議論しなければ正しい意思決定はできない。一方で、事業を細かく分割しすぎると効率が悪くなりスピードが上がらない。このバランスをどうするかという大きな会社が持つ課題をずっと考えてきた」

 11月17日にパナソニックが開いた経営方針説明会。津賀一宏社長は、22年4月にスタートする持ち株会社制への移行を決めた背景をこう語った。歴代のパナソニックの経営トップが頭を抱えてきたのが、事業の多さだ。中核でない事業の譲渡などを進めてきたとはいえ、今も35の事業がある。いかに会社全体の見通しをよくするかが課題だった。

 パナソニックの現体制では、5つの社内カンパニーが平均で7つの事業を抱えてきた。それを、持ち株会社「パナソニックホールディングス」傘下の4つの主力子会社に担当させる体制にする。片山栄一CSO(最高戦略責任者)は、新体制になればカンパニーや事業会社が傘下に抱える事業数が平均3つまで絞られるようになると説明する。それぞれのカンパニーや事業会社が担当する事業数を少なくして、より現場に目が届くようにするというのが、津賀社長が出した答えだった。

 4つの主力子会社のうち、最大の事業会社となるのが「パナソニック」。この会社の傘下に家電、空調、業務用冷蔵ショーケース、電設資材、中国ビジネスの5つのカンパニーを設ける。残りの主力子会社3社は、工場や物流の効率化を提供する「現場プロセス」事業、電子部品を手掛ける「デバイス」事業、車載電池の「エナジー」事業を手掛ける会社になる。先ほどの片山CSOの説明は、「パナソニック」内の5カンパニーと、3社の主力子会社の計8組織がそれぞれ担当する事業を平均3つにまで減らすということだ。