パナソニックが自動車用に供給する円筒形電池
パナソニックが自動車用に供給する円筒形電池

 「米テスラ向け電池の事業は2020年度(21年3月期)通期での黒字が視野に入っている。2~3年後には車載事業の営業利益率を現在の3%から5%に引き上げていきたい」

 10月29日にパナソニックが開催した2020年4~9月期の決算説明会。車載電池や車載機器を手掛ける車載事業の見通しを問われた梅田博和CFO(最高財務責任者)はこう答えた。車載事業は20年3月期通期に営業赤字を計上して全社業績の足を引っ張ったが、一転して前向きな姿勢に変わってきた。

 パナソニック全体の20年4~9月期の連結決算は売上高が前年同期比20%減の3兆591億円、純利益が同52%減の488億円だった。純利益がマイナス98億円の赤字だった4~6月期から改善する中で、5セグメントのうち最も回復が顕著だったのが車載事業だ。新型コロナウイルスの感染拡大で停滞していた自動車生産が回復しただけでなく、事業そのものの好材料が増えた。

 車載事業のうち、車載電池事業はテスラ向けが21年3月期通期で黒字化し、日本市場向けも黒字化する見通しだ。車載機器事業は欧州市場向けの開発投資が前の期にピークを迎え、今期からは収益が安定すると見込む。梅田氏はEV(電気自動車)向け充電器の開発がまだ続く点を懸念材料としながらも、「車載機器での大きな下振れは予想していない」と話す。

 梅田氏は同日、テスラ向けに「4680」と呼ばれる高容量電池の開発に着手したことを明らかにした。テスラは9月22日に開催した説明会で4680規格の電池の内製化に本腰を入れると発表し、パナソニックの車載電池事業には成長減速の懸念が出ていた。パナソニックはテスラの発表を受けて開発をスタートし、すでに試作ラインの準備も始めたという。

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