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パナソニックが照明器具をスマホから操作可能にする配線器具を9月14日に発表した。同社の配線器具事業は国内トップシェアで営業利益率も10%を上回る、知られざる優良事業。パナソニックが中期経営計画で基幹事業の一つと位置付けた「空間ソリューション」のけん引役としてさらなる成長を誓った。

パナソニックは照明や空調などの機器で空間の快適さを高める「空間ソリューション」を基幹事業と位置付ける

 「既存住宅にも対応できるようになったIoTスイッチを日本のスタンダードにしたい」

 9月14日にパナソニックが開いた発表会。エナジーシステム事業部の白澤満・パワー機器ビジネスユニット長はこう意気込んだ。パナソニックのIoT(モノのインターネット)スイッチとは、壁面に埋め込む照明器具用スイッチを、スマホから操作可能にした製品。スマホで照明器具のオン/オフや調光ができるようになる。

 パナソニックは15年に初代のIoTスイッチを発売したが、新築住宅での採用がほとんどで販売数が伸びなかったという。壁面の裏側にある電線を通常の2本から3本に増やさなければならず、既存のスイッチから取り換えるためには壁をはがすなど大がかりな工事が必要だったからだ。今回発表した「アドバンスシリーズ リンクプラス」は、既存の2本の電線だけで対応できるため、既存の住宅でも簡単に取り付けられる。

 パナソニックの担当者は「当社の推定では19年の新築住宅のうちIoTに対応した住宅は15%程度だった。IoTスイッチも既存住宅の15%程度まで普及させられるのではないか」と話す。大がかりな工事が必要だったこれまでは配線工事の事業者を通じて販売してきたが、新製品はEC(電子商取引)を通じて一般消費者に直接販売することを検討中という。

 新しいスイッチを「日本のスタンダードに」とまで意気込むのは、パナソニックが2019年5月に発表した中期経営計画で基幹事業と定義した「空間ソリューション」の足がかりになるからだ。

 空間ソリューションとは、住宅や店舗、オフィスなどの空間に照明や空調などの機器を適切に配置し、それらをつなぐネットワークを活用しながら快適性や生産性を上げる事業のこと。なぜIoTスイッチがその足がかりになるのか。