パナソニックがテレビ事業を巡り、中国大手のTCLに生産委託することで同社と交渉している。不振事業の改革がなかなか進まないパナソニックの象徴と言える分野に、再びメスを入れる。自社生産するのは稼げる上位機種だけにして、遅れた改革の総仕上げを目指す。

 「宇都宮、ベトナム、インドでの生産は終了した」。パナソニックの梅田博和CFO(最高財務責任者)は5月10日の決算会見で、テレビ事業についてこう話した。国内外に7つある自前の生産拠点を2020年度中に4つに減らした。

 さらにテレビ事業を巡って同社は、世界販売台数で韓国のサムスン電子、同・LG電子に続くシェア3位(9.8%)のTCLと、生産委託の交渉中であることも認めている。パナソニックは有機ELや4Kの技術を使った利幅の大きい上位機種に集中し、TCLに下位機種を任せる。

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