パナソニックが米ソフト会社、ブルーヨンダーの買収を検討していることが分かった。過去の経験からパナソニックには買収への苦手意識がある。業績が伸び悩むなかで買収を成長につなげられるだろうか。

 「これほど巨額の買収をして大丈夫なのでしょうか」。あるパナソニック社員は心配そうな面持ちでこう話した。

 パナソニックが検討していることが分かったブルーヨンダーの買収額は7000億円程度の見込み。実現すれば、2011年に約8000億円を投じたパナソニック電工と三洋電機の完全子会社化以来の大型買収になる。買収の検討が明らかになった翌日(3月9日)のパナソニック株式の終値は前日の終値である1424円から7%下落した。15日の終値は1348.5円で、株式市場は依然として財務への悪影響を懸念しているもようだ。

 ブルーヨンダーは製造業などのサプライチェーン管理を効率化するソフトウエアを手掛ける企業。1985年創業で、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や米スターバックスなど世界大手を中心に3300社にソフトウエアを提供しており、従業員約5000人を抱える。

 パナソニックは2019年にブルーヨンダーとの合弁会社を国内に設立。20年春には860億円を投じてブルーヨンダーへの出資比率を20%とした。「出資額は勉強代だ」(パナソニック幹部)。ソフトウエアが得意ではないパナソニックが海外大手からノウハウを学ぶ狙いがあった。

パナソニックは19年4月、ブルーヨンダー(当時の社名はJDAソフトウエア)と合弁会社を設立する予定であると発表した。写真は発表会に登壇したブルーヨンダーのギリッシュ・リッシCEO(最高経営責任者、左)とパナソニックの樋口泰行専務執行役員

 ここに来て買収まで検討するのは、法人向けシステムを担当する社内カンパニー「コネクティッドソリューションズ(CNS)社」の事業拡大につながるとの手応えを得たからだ。ハードに強みを持つパナソニックがブルーヨンダーのソフトを手に入れれば、小売店や製造、物流などの効率化を図る「現場プロセス」事業で顧客に提供する価値をさらに高められると判断したとみられる。

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