パナソニックホールディングス(HD)でIT(情報技術)や人事などをつかさどる幹部たちは、会社の問題をどうとらえているのか。HD社長の楠見雄規から伝えられた使命の中身とともに、今組織に必要なものについての考えを聞いた。=文中敬称略
■この連載ここまで
(1)パナソニック、思考停止の壁どう壊す トップ楠見の頭の中
(2)イーロン・マスクの速さに学べ パナソニック、電池100年目の脱皮
(3)さらば家電の安売り パナソニック、マイナーチェンジ地獄脱す
(4)パナソニック、巨額買収の米ブルーヨンダーと始まった融合
(5)道しるべか呪縛か パナソニック、神様・松下幸之助と終わらぬ対話
(6)パナソニックHD・楠見社長「手を打たねばいずれ滅ぶ」
ITの現場任せ、今は通用せず
玉置肇執行役員兼グループCIO
![[たまおき・はじめ]1993年大阪大学大学院人間科学研究科修了、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(現P&Gジャパン)入社。2014年ファーストリテイリングでグループ執行役員CIO(最高情報責任者)。17年アクサ生命保険執行役員。21年5月から現職(写真:北山 宏一)](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00114/012700029/p1.jpg?__scale=w:500,h:334&_sh=0ba0570210)
2021年5月、アクサ生命保険からパナソニックHDに転じました。最初にきて驚いたのは、組織に統一感がないこと。とくに情報システムはバラバラでした。たくさんの会社が集まってできた組織なので、経営体が200ほどある。普通は1社で1つ、2つしかない基幹システムが100以上ある。管理している顧客情報も経営体によってバラバラです。
これまで経営とITの距離が遠かったことが理由です。20年前ならITを現場に任せておけばよかったかもしれませんが、今は通用しない。ITが原因で会社が潰れることもありますから。これには社長の楠見に相当な危機感があります。
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