1918年、松下幸之助氏が創業したパナソニック。家電中心の事業構造から車載や法人向け事業へのシフトを目指すが、思ったような芽は出ていない。それでも変わらなければ、激しい競争の波に飲まれかねない。外部人材の積極登用などで、改革を進めるパナソニックの今を追いながら、同社の今後と日本の大企業の行く末を占う。(写真:AP/アフロ)
シリーズ
中山玲子のパナソニックウオッチ

29回
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パナソニックHD・楠見社長「手を打たねばいずれ滅ぶ」
総合電機メーカーとして、パナソニックホールディングスを知らぬ者はいない。だが、長らく成長のきっかけをつかみ切れず、もがいてきた。組織を変え、理念を磨き直して道をひらく。
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道しるべか呪縛か パナソニック、神様・松下幸之助と終わらぬ対話
パナソニックグループの精神的支柱となってきた創業者、松下幸之助。歴代のトップが、その存在に近づいては離れながら経営に当たった。停滞を脱しようとする中で、振り子は再び幸之助へと振れる。
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パナソニック、巨額買収の米ブルーヨンダーと始まった融合
パナソニックホールディングス(HD)が傘下に収めた米ブルーヨンダー。世界的な景気減速の波をかぶる中でも、融合への模索が見える。事業会社トップの樋口泰行にとり、3年かけた買収後の本当の仕事が始まる。
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さらば家電の安売り パナソニック、マイナーチェンジ地獄脱す
パナソニックホールディングスが成長なき40年からの脱却を目指す中で、家電を扱う大黒柱の新パナソニックは安売りとの決別へと動いている。開発陣の「マイナーチェンジ地獄」につながっていることを反省し、業界の慣習を自ら壊す。
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イーロン・マスクの速さに学べ パナソニック、電池100年目の脱皮
会社が成長するためには、海外市場への投資が欠かせない。伸びる事業として期待できるのがEV(電気自動車)用電池の分野だ。米テスラのイーロン・マスクと向き合い、経営スピードの重要性を学んでいる。
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[新連載]パナソニック、思考停止の壁どう壊す トップ楠見の頭の中
電機業界の雄、パナソニックホールディングス。営業利益は1984年度の5757億円を超えないまま、40年近くがたつ。成長できずにあえいできたが、今、変化を起こそうとしている。停滞の殻を破ろうとする巨艦の現状と展望を探る。
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パナソニックが家電の販売奨励金削る 価格維持へ一石、業界に波及も
パナソニックは8月1日から冷蔵庫など80品目近い家電製品の出荷価格を順次、引き上げ始めた。値上げを下支えするのが、家電量販店が値下げする原資となってきた販売奨励金の削減だ。小売りから価格の決定権を取り返す試みとして一石を…
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パナソニックがライカとカメラ協業強化、高級路線で焦点は定まるか
パナソニックホールディングスは5月31日、独ライカカメラと戦略的包括協業契約を締結した。ライカのブランド力とパナソニックの動画技術を融合し、高級機種を拡充していく考え。一時は事業整理も検討していた中、巻き返しは可能か。
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パナソニック、車載電池事業の上場も テスラ向け「ギガファク」の次
パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長は5月11日、車載電池の事業会社を上場させる可能性に言及した。同社は2023年度に稼働する車載電池の和歌山工場の先に米国工場建設を見据えている。17年に約2000億円を投…
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71億ドル買収率いたパナ樋口専務「ハードだけでは生き残れない」
パナソニックは9月17日、米ソフトウエア会社のブルーヨンダーを約71億ドル(約7700億円)で買収した。買収話の口火を切ったのは、25年ぶりに出戻った樋口泰行専務執行役員だ。ブルーヨンダー買収の背景や狙いを聞いた。
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大型M&Aのトラウマ払拭へ パナが挑む、脱「上から目線」
過去の大型M&A(合併・買収)では苦い経験をしてきたパナソニック。うまくいかなかった理由の1つは、買収する側ならではの上から目線だ。過去の教訓を生かし、今回買収したブルーヨンダーに対しては、自主性を尊重することを重視する…
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米社買収 「これで成長できなければパナソニックはもう駄目だ」
パナソニックは9月17日、米ソフトウエア会社のブルーヨンダーを約71億ドル(約7700億円)で買収した。パナソニックによる大型M&A(合併・買収)は10年ぶり。過去のM&Aは業績拡大につなげられず、トラウマにもなってきた…
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パナソニックが大目標、IoT家電の利用1000万人 裏に2つの新戦略
パナソニックは9月21日、2024年度にIoT家電の売上高を現状の2倍に増やす目標を明らかにした。IoT家電の普及を推進するとアピールしたが、単につながることを強調したわけではない。発表から見えたのは「引き算」と「異業種…
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4兆円規模の事業会社、新「パナソニック」率いる品田正弘氏の横顔
2022年4月の持ち株会社移行を見据え、パナソニックが新体制人事を発表した。「パナソニックホールディングス」の傘下に8つの事業会社がぶら下がる。白物家電などを手掛ける事業会社で、連結売上高の6割程度を稼ぐ新「パナソニック…
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パナソニック楠見新社長「商店主の気概を全ての社員に取り戻す」
9年ぶりに社長が交代したパナソニック。6月下旬に就任した楠見雄規社長が、日経ビジネスなどの取材に応じた。成長の停滞から脱却するために一人ひとりの社員の意識改革が必要だと強調。2022年4月の持ち株会社移行に向けて、管理す…
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パナ楠見CEOの所信表明を前任者が「参観」、新機軸は見えたか
パナソニックは5月27日、楠見雄規CEOによる経営方針説明会を開いた。オンラインで開かれた会見では、津賀一宏社長が画面に映らない角度から楠見氏の様子を「参観」していた。そうした影響もあったのか、会見は津賀路線の踏襲を思わ…
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パナソニック、遅れる改革の象徴 テレビに再びメス
パナソニックがテレビ事業を巡り、中国大手のTCLに生産委託することで同社と交渉している。不振事業の改革がなかなか進まないパナソニックの象徴と言える分野に、再びメスを入れる。自社生産するのは稼げる上位機種だけにして、遅れた…
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買収は「苦手」でも パナソニック、避けられぬ成長への一歩
パナソニックが米ソフト会社、ブルーヨンダーの買収を検討していることが分かった。過去の経験からパナソニックには買収に苦手意識がある。業績が伸び悩むなかで買収を成長につなげられるだろうか。
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通期上方修正のパナソニック、求められる「モグラ」の見極め力
パナソニックが2021年3月期通期の業績見通しを上方修正した。家電の販売が堅調で、車載機器の需要が想定よりも早く回復した。ただし、売上高・利益ともに前年の水準は下回る。持続的な成長に転じるためにも、かつて津賀一宏社長が「…
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競合ひしめく自動配送ロボ パナソニックは存在感を発揮できるか
パナソニックは2021年2~3月に、神奈川県藤沢市のスマートシティー「フジサワ サスティナブル スマートタウン(藤沢SST)」で自動配送ロボットの実証実験を始める。12月9日、ロボットが自動運転で住宅街を走る様子を報道陣…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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