1918年、松下幸之助氏が創業したパナソニック。家電中心の事業構造から車載や法人向け事業へのシフトを目指すが、思ったような芽は出ていない。それでも変わらなければ、激しい競争の波に飲まれかねない。外部人材の積極登用などで、改革を進めるパナソニックの今を追いながら、同社の今後と日本の大企業の行く末を占う。(写真:AP/アフロ)
シリーズ
中山玲子のパナソニックウオッチ

22回
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パナソニックがライカとカメラ協業強化、高級路線で焦点は定まるか
パナソニックホールディングスは5月31日、独ライカカメラと戦略的包括協業契約を締結した。ライカのブランド力とパナソニックの動画技術を融合し、高級機種を拡充していく考え。一時は事業整理も検討していた中、巻き返しは可能か。
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パナソニック、車載電池事業の上場も テスラ向け「ギガファク」の次
パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長は5月11日、車載電池の事業会社を上場させる可能性に言及した。同社は2023年度に稼働する車載電池の和歌山工場の先に米国工場建設を見据えている。17年に約2000億円を投…
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71億ドル買収率いたパナ樋口専務「ハードだけでは生き残れない」
パナソニックは9月17日、米ソフトウエア会社のブルーヨンダーを約71億ドル(約7700億円)で買収した。買収話の口火を切ったのは、25年ぶりに出戻った樋口泰行専務執行役員だ。ブルーヨンダー買収の背景や狙いを聞いた。
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大型M&Aのトラウマ払拭へ パナが挑む、脱「上から目線」
過去の大型M&A(合併・買収)では苦い経験をしてきたパナソニック。うまくいかなかった理由の1つは、買収する側ならではの上から目線だ。過去の教訓を生かし、今回買収したブルーヨンダーに対しては、自主性を尊重することを重視する…
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米社買収 「これで成長できなければパナソニックはもう駄目だ」
パナソニックは9月17日、米ソフトウエア会社のブルーヨンダーを約71億ドル(約7700億円)で買収した。パナソニックによる大型M&A(合併・買収)は10年ぶり。過去のM&Aは業績拡大につなげられず、トラウマにもなってきた…
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パナソニックが大目標、IoT家電の利用1000万人 裏に2つの新戦略
パナソニックは9月21日、2024年度にIoT家電の売上高を現状の2倍に増やす目標を明らかにした。IoT家電の普及を推進するとアピールしたが、単につながることを強調したわけではない。発表から見えたのは「引き算」と「異業種…
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4兆円規模の事業会社、新「パナソニック」率いる品田正弘氏の横顔
2022年4月の持ち株会社移行を見据え、パナソニックが新体制人事を発表した。「パナソニックホールディングス」の傘下に8つの事業会社がぶら下がる。白物家電などを手掛ける事業会社で、連結売上高の6割程度を稼ぐ新「パナソニック…
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パナソニック楠見新社長「商店主の気概を全ての社員に取り戻す」
9年ぶりに社長が交代したパナソニック。6月下旬に就任した楠見雄規社長が、日経ビジネスなどの取材に応じた。成長の停滞から脱却するために一人ひとりの社員の意識改革が必要だと強調。2022年4月の持ち株会社移行に向けて、管理す…
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パナ楠見CEOの所信表明を前任者が「参観」、新機軸は見えたか
パナソニックは5月27日、楠見雄規CEOによる経営方針説明会を開いた。オンラインで開かれた会見では、津賀一宏社長が画面に映らない角度から楠見氏の様子を「参観」していた。そうした影響もあったのか、会見は津賀路線の踏襲を思わ…
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パナソニック、遅れる改革の象徴 テレビに再びメス
パナソニックがテレビ事業を巡り、中国大手のTCLに生産委託することで同社と交渉している。不振事業の改革がなかなか進まないパナソニックの象徴と言える分野に、再びメスを入れる。自社生産するのは稼げる上位機種だけにして、遅れた…
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買収は「苦手」でも パナソニック、避けられぬ成長への一歩
パナソニックが米ソフト会社、ブルーヨンダーの買収を検討していることが分かった。過去の経験からパナソニックには買収に苦手意識がある。業績が伸び悩むなかで買収を成長につなげられるだろうか。
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通期上方修正のパナソニック、求められる「モグラ」の見極め力
パナソニックが2021年3月期通期の業績見通しを上方修正した。家電の販売が堅調で、車載機器の需要が想定よりも早く回復した。ただし、売上高・利益ともに前年の水準は下回る。持続的な成長に転じるためにも、かつて津賀一宏社長が「…
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競合ひしめく自動配送ロボ パナソニックは存在感を発揮できるか
パナソニックは2021年2~3月に、神奈川県藤沢市のスマートシティー「フジサワ サスティナブル スマートタウン(藤沢SST)」で自動配送ロボットの実証実験を始める。12月9日、ロボットが自動運転で住宅街を走る様子を報道陣…
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パナソニックの持ち株会社制移行、探し求めた「解」か恒例行事か
2022年4月にカンパニー制から持ち株会社制に移行することを決めたパナソニック。就任から8年が経過した津賀一宏社長は、領域が多岐にわたって35もある事業を効率よく管理するための最適な組織の形を探し求めてきた。社長交代と同…
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パナソニック社長交代、異例の早期内定は長期改革への序章
パナソニックは11月13日、2021年6月24日付で津賀一宏社長が代表権のない会長に退き、楠見雄規常務執行役員が社長に昇格する人事を発表した。同社の社長人事が内定するのは通例なら2月下旬。交代まで半年以上を残すタイミング…
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車載事業で攻めに転じたパナソニック、テスラへの期待と不安
パナソニックが10月29日に開いた2020年4~9月期決算説明会では車載事業に関する前向きの発言が目立った。テスラ向け電池への期待と失望を繰り返してきた車載事業は、全社の業績をけん引する存在になれるのだろうか。
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パナ、8年前と変わった方針 企業スポーツは「ビジネス」の時代に
パナソニックは9月29日、スポーツ関連事業を強化すると発表した。10月1日付で、アナリスト出身の片山栄一常務執行役員CSO(最高戦略責任者)を担当役員とするスポーツマネジメント推進室を発足。プロサッカーJリーグ1部(J1…
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パナソニック「アップデートできる家電に活路」
新型コロナウイルスの影響を受け、2020年4~6月期決算で9年ぶりに最終赤字になったパナソニック。5つある社内カンパニーの中で比較的影響が少なかったのが家電を手掛けるアプライアンス社だ。今後の家電のあり方、量販店との関係…
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元グーグル幹部が注目の配線器具、パナソニックの「花形」になるか
パナソニックが照明器具をスマホから操作可能にする配線器具を9月14日に発表した。同社の配線器具事業は国内トップシェアで営業利益率も10%を上回る、知られざる優良事業。パナソニックが中期経営計画で基幹事業の一つと位置付けた…
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ミラーレスカメラ元祖のパナ、フルサイズ機で巻き返しの難路
パナソニックがミラーレスカメラの新機種を発表した。「フルサイズ」と呼ぶ大型の画像センサーを搭載するモデルを拡充した。レンズ交換式カメラを小型・軽量にできるミラーレス構造のカメラをパナソニックが初めて商品化してから12年。…
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1000年企業の肖像
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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