シリーズ
日の丸電機サバイバル

133回
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首の皮1枚でつながった東芝買収案、同床異夢の取締役会が出した答え
ほぼ2年かけて企業再編のドタバタ劇を繰り返してきた東芝。いったん投資ファンドが買収して経営環境を整えるという案は、あわや瓦解しかけたところで同社の取締役会による受け入れが決まった。金融機関が「最終列車」と見ていたプランを…
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プリファードが家庭用運搬ロボ、「ねえカチャカ」の声はこだまするか
AI(人工知能)開発のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)は5月、家庭用の自律移動ロボット「カチャカ」と、カチャカで運ぶ専用家具「カチャカシェルフ」を発売する。トヨタ自動車やファナックなど大手企業と協業してきた同…
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東芝買収、銀行団が苦渋のゴーサイン「これが最終列車」
日本産業パートナーズ(JIP)による東芝買収案について、ようやく銀行団が融資すると了承した。当初は2022年11月頃に金融機関がまとまるとみられていたが、そこから約3カ月も調整が続いた。最後は旧三井財閥とつながりの深い東…
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ソニーグループ社長に十時裕樹副社長 「感動」経営、第2幕に
ソニーグループは2日、十時裕樹副社長兼CFO(最高財務責任者)が4月1日付で社長兼COO(最高執行責任者)に昇格する人事を発表した。ソニーGの社長交代は5年ぶり。十時氏はCFOも兼任する。吉田憲一郎会長兼社長は代表権のあ…
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NECが米で新興9社設立 課題の「事業化」、客員起業家と突破
NECは1月、携帯電波から行方不明者の位置を特定する事業会社を米国で発足させたと発表した。自社技術を使ってシリコンバレーから会社を興す施策の一環で、技術を早く事業化することを目指している。この取り組みの下で9社が誕生。「…
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日立の躍進支える“稼ぐ研究員” 構造改革の「B面」が会社を強くする
日立製作所が技術やサービスを実用化する「社会実装」で強みを発揮している。顧客企業と一緒に新たな事業を創出する重要なミッションを担っているのが、研究開発グループに属する研究員だ。「稼ぐ研究員」づくりという構造改革のB面の存…
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東芝、地熱発電の運営参入 10年越しで難所克服
温泉地の観光と地熱発電は共存できるのか――。この難題に自ら取り組もうと、東芝は中部電力とタッグを組んだ。開発に10年かけてきた地熱発電所の事業運営は、今月やっとスタートした。活火山の多い日本は世界有数の地熱資源大国だが、…
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KDDI、スペースXと離島に基地局 圏外解消へマスク氏と先手
KDDIがイーロン・マスク氏率いる米スペースXの衛星通信網「スターリンク」の活用を始めた。静岡県熱海市の離島に専用基地局を設置。衛星を通じてKDDIの基幹網につなげる。マスク氏との協業により、圏外を解消するネットワークの…
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サッカー日本代表の逆転劇、ソニーの「アシスト」生んだ伝説の因縁
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で日本をベスト16に導いたスペイン戦での田中碧選手のゴールは日本中を熱狂させたが、ファンをやきもきさせたのはその直前にボールがゴールラインの外に出たかどうかだ。最終的にゴールラ…
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TDK、電池依存から脱却図る 斎藤社長「鍵はセンサーの成長」
電子部品大手TDKの業績は好調で、2023年3月期の売上高が2兆2200億円、営業利益が2000億円となる見込みだ。ただ、斎藤昇社長は利益の7割をスマートフォン向けなどの電池事業に依存している点に課題があると考えている。…
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東芝M&A巡る融資で詰めの協議 金融、現実路線強める
東芝の再建を巡り、ファンドが買収へのTOB(株式公開買い付け)を実施できるかどうか正念場を迎えている。主体となるプライベートエクイティ(PE)ファンドとして優先交渉を進めるのは日本産業パートナーズ(JIP)。いま最大の焦…
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既視感漂う国産半導体計画 量産へ5兆円の高いハードル
最先端半導体の国産化プロジェクトが動き出した。経済安全保障の観点から国が開発費700億円を支援し、回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体について技術開発・量産を目指す。ただ、これまでも国内半導体業界は微細化…
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国内で新工場も ダイキンが描く円安時代の攻略シナリオ
海外事業が好調で今期2度目の上方修正を発表したダイキン工業。海外で攻勢をかける一方、製造拠点は「国内回帰」を検討するなど守りも固め始めた。
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富士通、「虎の子」の子会社切り出しへ DX企業転身へ苦渋の一手
富士通がDX(デジタルトランスフォーメーション)企業への転身を加速させている。同社は10月27日、傘下で主力の新光電気工業や富士通ゼネラル、FDKなどの切り出しを検討していると明らかにした。DX事業で勝ち抜くため、ポート…
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ソニー・ホンダのEVが挑むは「アップルカー」 水面下で特許競争も
ソニーグループとホンダが折半出資する「ソニー・ホンダモビリティ」は2025年にEV(電気自動車)を発売する。エンタメ機能を付けた独自のEVを目指しており、自動車業界に詳しい有識者は米アップルが競合になると予想する。26年…
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東芝買収、企業連合1兆円の意地 「日本勢では無理」に対抗
東芝の買収に向け、15社超の日本企業連合が大きな賭けに出た。プライベート・エクイティ(PE)ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を核とした陣営に入り、約1兆円の出資金をかき集めた。融資を含む買収資金の合計額は2兆円超…
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半導体の需給変調、急減速に身構えるルネサス
新型コロナウイルス禍に見舞われた2年半、逼迫し続けていた半導体の需要と供給のバランスが変調を迎えている。長引く半導体不足を解消しようと、半導体メーカーはこぞって増産投資を急いできた。だが、足元でIT(情報技術)関連の需要…
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ダイキン、インドの生産能力2倍に ローカル仕様の開発で果実
エアコン世界大手のダイキン工業はインドで家庭用製品の生産能力を倍増させる。地域の環境に合わせた製品で市場を切り開き、同社のシェアはトップクラスにある。大幅な増産によって、これまでのローカル製品開発の果実を一段と得ていく。
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日立やNTTデータ、資源循環のデータ覇権競う 欧州に対抗
日立製作所、NTTデータなどが資源循環社会のデータ覇権競争に乗り出す。製造から再利用まで環境や機密情報を企業間で安全にやり取りするデータ基盤を構築する。国際標準化やルール形成で先行する欧州への対抗軸を目指す。
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[スクープ]オリックスが東芝に約3000億円を出資へ JIP陣営
東芝の買収に向け、オリックスが3000億円程度の出資を可能と判断していることが分かった。同社は東芝に買収案を出しているファンド、日本産業パートナーズ(JIP)の陣営にいる。時価総額2兆円強の大企業を買収するため、こうした…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
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総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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