「グローバルアライアンスでボトムライン(利益)を改善していく」。日立製作所で白物家電事業を手掛ける日立グローバルライフソリューションズ(GLS)が12月16日に開催したオンライン会見。登壇した谷口潤社長は海外事業を切り離す意義をこう強調した。

 16日に発表したのは、海外での白物家電事業をトルコ家電大手、アルチェリクに売却することだ。日立GLSが設立する新会社に海外の白物家電事業を移管し、その株式の6割をアルチェリクに売却して2021年春に合弁会社にする。売却額は3億ドル(約315億円)となる見通しだ。

日立が切り離す海外家電事業は、中国などアジアで存在感があった(写真:アフロ)

海外は単独での成長を断念

 合弁会社では、日立ブランドの海外向け白物家電の製造、販売、マーケティング、アフターサービスなどを手掛けていく。アルチェリクは欧州を中心に世界145カ国以上で家電事業を展開する。日立ブランドを残しながら、アルチェリクの販売網や調達網を生かしていく考えだ。日立は海外白物家電事業の単独での成長を断念した格好になる。

 日立GLSの海外家電事業は、売上高が1000億円超と全体の2割超を占めるが、利益率は国内事業や空調事業に比べると低いもよう。アルチェリクに売却することで日立GLSの売上高は減るが、収益性は向上する。22年3月期の目標として掲げる「調整後営業利益率8%超」について、谷口社長は「強い手ごたえを感じている」と口にした。

 日立製作所は連結全体で22年3月期に調整後営業利益率10%超という目標を掲げており、注力するデジタル事業「ルマーダ」との親和性と収益性の観点から事業のポートフォリオを見直してきた。今回、収益性が低い海外の白物家電事業を切り離したのは、日立全体の戦略から見ても現実的な選択肢と言える。

 日立GLSに残された国内の白物家電事業は、冷蔵庫、洗濯機、掃除機の主要3製品の販売シェアで約3割を占める存在だ。16日の記者会見ではさらなる成長へ向けて、ネットにつながる「コネクテッド家電」などの付加価値を追求していく考えを示した。パートナー企業との連携により、残量の検知機能やスマートフォンでの発注連携機能を備える冷蔵庫などの発売を予定しているという。

日立GLSはネットにつながる「コネクテッド家電」に力を入れる

 もっとも、国内でこれまで以上に存在感を示せるかどうかは不透明な部分もある。新興勢力が攻勢をかけてきているからだ。

続きを読む 2/2 上場のバルミューダは「トップラインを伸ばす」

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