ソニーグループは12月7日、研究開発の成果を披露する技術展示会「Sony Technology Day(ソニーテクノロジーデー)」を開催した。「感動を生むテクノロジー」と題した今回の展示会で注目を集めたのが、初披露となるロボットだ。未知の物でも事前に学習させる必要がなく、バラの花のような柔らかい物もつかめる「世界初」の技術だ。
柔らかい黄色いバラの花を渡すとそっとつかみ、人間がまた茎を持ったと分かるとゆっくりと手を放す。ボトルを渡すと、今度は中身をもう片方の手持ちのコップに注ぎ込む――。

これは、ソニーテクノロジーデーで初披露されたロボットのデモの様子。柔らかい物から硬い物まで、手で難なくつかんでいく。うつむき加減で丁寧に作業に取り掛かる様子は、育ちの良い子供のようにも見えた。

初披露したロボットは、つかむ作業をするとき、事前に物の形などを把握するために情報を入力する「ティーチング」と呼ぶ学習作業が不要。バラのような繊細なものがつかめるのが特徴だ。初めてつかむ物が柔らかいか、硬いかを瞬時に判断して、滑り落とさず人の手と同じようにつかめる。
311個のセンサーで制御
その秘密は“手”にある。ロボットの手は両側からはさみ込む方式で、手のひら部分にはそれぞれ16個の半球状の柔らかい突起物がついている。さらに手の中には「距離センサー」と「圧力センサー」を合計311個搭載する。2つのセンサーを使い、細かく制御することで、学習作業がなくても物がつかめる技術を実現したという。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1012文字 / 全文1660文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「日の丸電機サバイバル」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
「キーエンスOBが明かす強さの根源」、全3回ウェビナー開催

■第1回:2022年5月19日(木)19時~(予定)
テーマ:顧客の心をつかむ、キーエンスの「営業しない」営業力
講師:FAプロダクツ 代表取締役会長 天野眞也氏
■第2回:6月2日(木)19:00~20:00(予定)
テーマ:潜在需要が宝の山 キーエンスの高収益生み出す商品開発
講師:コンセプト・シナジー 代表取締役 高杉康成氏
■第3回:6月16日(木)19:00~20:00(予定)
テーマ:「キーエンス流」は世界に通じる、海外事業開拓の極意
講師:インサイトアカデミー 顧問 藤田孝氏
会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。
Powered by リゾーム?